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…24… ページ26

「…あ…その…」


「佐々木殿も、比良裏殿も覚えていらっしゃいませんか?」


「…」



小さく頷くと女性は小さく、そうですか。と返事を返してきた。



「あぁ、申し遅れました。私は牡丹を申します」


「…うん。よろしく」



初代当主…。

景光、佐々木、比良裏、牡丹

何でこんなに、頭の中でその言葉たちが何度も浮かび上がるのだろうか。

牡丹というこの女性が、覚えていないのですかと問うたから

思い出そうとしているのか?

うぅむ、と唸っていると



「…相変わらずですね」



と牡丹が小さく笑った。

またこの人も、綺麗に笑うな

それだけ思って、牡丹の言葉に返事



「相変わらず…」



その言葉に、首を傾げる



「えぇ、相変わらず、ぼうっとしていると言いますか…独特な雰囲気があると言いますか」


「よく、分からない」


「あっ牡丹先生!!」



そこで、牡丹は何か三男と会話をし始めた



自分は少し、それどころではなかった


牡丹の表情、言葉が頭から離れない

…なんだろう、この気持ち。

変な気分


何処かで聞いたことある声に、仕草、表情

それに、名前も初めて聞いたとは思えないほど

しっかりと頭の中に記録されている

そして

不思議な事に、性格、性別まで予想できてしまう


比良裏とか言う奴は、牡丹の近くに居そうだな。とか

色々。



「かげ、みつ…」



――待て。

…初代…?

普通に聞いていたが、初代と口にしたか。

曇神社とも、ハッキリ言った。

景光という人の苗字も、曇だった。


今は何代目だ…14だっただろうか。

何故、牡丹は初代の事を知っている?

いや、まずこちらの事を知っている時点でおかしいのだが

初代はもう幾年も前の人物ではないのだろうか


しかも牡丹は、こちらがその幾年も前の人物を知っていると思っている

…。

自分は、いつからココ周辺にいただろうか。

物心ついた時から?

それとも、自分の足でここまで来たのか?

…思い出せん。


『まだ曇神社にいらしたのですね』


…その、初代、の時に、自分は

此処にいたのだろうか。


待て待て。


疑問が波のように押し寄せてきて

自分の頭がついていかない



「…牡丹」


「はい、なんでしょう」



…食い気味に振り返った牡丹。

その顔に、思うように言葉が出ず

数秒おいたのちに



「…次男を呼んで来る。雨で体が冷えただろう」



違う言葉を口にした。

…25…→←…23…



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明都 - 妖狐、悩んでますね……景光達との再会があるのか、気になるところです。 (2015年2月21日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 手合せは比良裏乱入して来たら私得です…(笑) (2015年2月14日 14時) (レス) id: 30ec80f3f5 (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続き読みました♪景光と妖狐の手合わせ……どちらが強かったんだろう?そして、ほのぼのな感じが良かったです。景光と妖狐達の再会はないのかな?続き楽しみです♪ (2015年2月14日 14時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)
不雲綺(プロフ) - 明都さん» 餌付けです。簡単についていっちゃいますよ~(笑) (2015年2月8日 0時) (レス) id: 3c3d70d76d (このIDを非表示/違反報告)
明都 - 続きも素敵です♪景光さんに餌付けされたのね(笑)逃げてきたぽこも、可愛かったです!続き楽しみにしてます。 (2015年2月7日 13時) (レス) id: 5d47ba764e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不雲綺 | 作成日時:2014年9月19日 19時

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