夢の扉が開いたようです

door 8 ページ8

〜としみつside〜




「…名前なんて言うの？」




てつやがこの子にそう聞いてくれたおかげで、この子の名前を知ることが出来た




『え？』




「あなたの…お名前聞いて…ます」




「てつや、新手のナンパじゃん」




虫さんのその言葉に笑いながらも、俺はその子を見つめた




『A…ですけど…？』




「Aちゃんに俺達の名前教えてくれた友達ありがとね〜！おかげでこの企画すすめられます〜！」





A…ちゃんか…




そう言っているてつやの方を見ると、てつやも俺を見ていて、コクリと頷いた




俺のために…聞いてくれたのか……




「じゃあみんな、手差し出して」




てつやの言葉で俺たちは、片膝を地面につけるような格好をして顔を下に向け、手を差し出した




「「「おねがいします！」」」




選んでくれねぇかなぁ…




でもAちゃんの前にあった2人は、どちらもてつやを選んだしな…




オレンジにするってことはやっぱりてつやを意識してるだろうし…




でも…頼む…！









『…としみつさんで！』




その声とともに、俺の手がぎゅっと包まれた




え…まじ…？




目を開くと、笑いながら俺の手を握るAちゃんがいた




「よっしゃー！！！」




「なんで、なんで！？オレンジじゃん！お揃いじゃん！」




てつやはそう言いながらも、俺の背中を叩いた




「隣、座れば？」




てつやが俺にコソッとそう呟いた




「え…？」




てつやにそう言われ、俺はAちゃんの隣に座る




｢いやぁ〜、俺の時代きたわ」




「3人目にしてこの説、終わっちゃったね〜」




『なんか…すみません…』




申し訳なさそうにしている姿を見て、優しい子だな…と思った




「でもなんでオレンジにしたの？」




『友達に勧められて…。ちょっと派手にしてみたいっていう話をしたら、オレンジが似合うと思って言われたので…』




確かに似合ってる。派手な色なのに、派手な子には見えないし、清潔感もある




「てつや、残念！」




「まじかぁ〜。今からでも遅くないよ？としみつから乗り換えていいよ？」




『あははっ』




「笑って流されてんじゃん。人生諦めが肝心っていうからもう諦めな」




笑ってる姿も可愛くて、視聴者さんだから諦めないといけないと分かっていても、諦めきれない…

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