約束が鎖 ページ35
side小烏
あぁ..面倒な刀だ
鶯丸。A様の友であり..一番の理解者
この刀は厄介者だ。誰よりも
鶯丸「もう一度問おう。お前は...誰だ」
彼は目付きを鋭くして私..即ちA様を睨む
『...』
鶯丸「何者だと問うている。口がきけぬ訳ではあるまい」
『A様は貴方を信じていた』
鶯丸「...」
私の言葉に鶯丸は訝しげに眉を潜めた
『何時か嘆きに気付いてくれると、貴方も仲間達も信じていた』
鶯丸「答えになっていない」
『私はA様の寵臣、と言った所でしょうか』
鶯丸「何？」
ますます怪訝な顔をして鶯丸は私を睨んだ
彼は腰に本体を帯刀してはいない..が、私はしている
『A様はもはや自念に押し潰され限界でした...であるのに、貴方達は誰一人として...この方の苦しみに感づく事はなかった』
鶯丸「Aは悩みがあるような素振りは見せなかった」
『見せられなかった...の間違いではなく？』
私から問いかければ今度はあちらが言葉に詰まる
鶯丸「...確かに、Aには弱みを見せられぬ理由があった。だが...それでもAは」
『乗り越えられると信じていた』
鶯丸の言葉の続きを言うと彼は驚いて私を見た
私はそんな鶯丸に嘲笑し、言葉を続ける
『A様の周りは偽善者ばかりだ。信じていたなど戯言を抜かし、己の行動を正当化する...貴方達がA様を信じていた訳ない』
鶯丸「..っ」
『信じていたならば、A様も貴方達を信じ弱み位曝け出せたはず.....私は知っていますよ。鶯丸』
二人の間を生温い風が吹き抜けた
鶯丸が冷や汗を垂らし私を警戒して一歩引く
私はさせまいと彼の腕を掴んだ
鶯丸「！」
驚いて私を見る鶯丸に極力顔を近付けて
鼻先が触れるほどに近付き...私は言う
『A様が嘆きや悲しみを塞ぎ込む最もな元凶は...貴方が交わした無理な約束でしょう』
鶯丸「なっ...」
『A様の記憶に..一番強く根付いているんですよ......遥か昔に貴方が言った、“それまでの物語が嫌ならば、それ以上にお前は皆を護れる位強い刀になればいい。本当に強い奴は.....人前で涙を見せたりしない。だからお前は誰より強い刀になれ”..とね』
刹那、鶯丸の表情が一瞬にして固まった
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黒兎@文ストマジ神。 - 泣けた、ただ一言泣けた。予想も出来なかった結末になった。人の命の重さを知った、今まではただの命だろう的な感じだったのでこの小説で良く分かった気がする。更新頑張ってください。(・ω・)ノ長文失礼しました (2018年8月14日 12時) (
レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - リクエスト受け付けてたら、目茶苦茶難しいとは思いますが、死にかけの三条のお兄さんの手を握って「最悪の嫌がらせだ…！」って泣いてる大包平が見たいです。長文失礼しました。 (2018年7月17日 22時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - 終わった………ッ！終わりましたね！体の水分大量に持ってかれました。最後まで泣けましたな！未来を守る為に、皆を守る為に。そんなやつ書いてみたい！続編、楽しみにしてます。 (2018年7月17日 22時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 凛さん» いえいえ..神様.........ふむ、もしかして！ですかｗｗ......いやまぁ、ありがとうございます (2018年7月17日 22時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 風船ガムさん» 主様は神様でいらっしゃいましたか把握です。これからも応援してます〜！ (2018年7月17日 21時) (レス) id: 5d1985f1dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2018年7月4日 18時
