悲惨な悪夢 ページ23
side鶯丸
Aの案により
俺達は、たいみんぐ良く装置の釦を押して戻る方法を取った
何十回もあらぬ時代に飛んでしまったが
それでも何とか本丸に戻る事が出来たのだが..
俺達は其処で言葉を失った
轟々と唸りを挙げて燃え上がる本丸
炎がまるで蛇のようにあちこちに絡みつき..辺りを焼き尽くしていた
『何故...俺の予感はこうも当たるのだ..』
呟いたAに視線を向ければ
此奴は顔を顰め、ゆっくりと本丸に歩む
俺もその後ろを着いて歩いた
火の手が及んでいない庭先や中庭には血溜まりがあり、燃え盛る本丸に足を踏み入れれば、廊下などには血痕と銀色に光る破片などが散らばっていた
「A、出るぞ」
これ以上中に進めば燃えて死ぬ
思った俺は言うが、Aは聞かずに進んでいく
「A！」
『今剣が居らぬ』
「..」
『小狐丸、石切丸、岩融、三日月..何処に居る』
伸ばしかけた手を俺は引っ込めた
炎を気にせずに進むAが、酷く恐ろしく見えたのだ
......大包平は、何処だろうか
この惨事だ..生きていて欲しいが、恐らく...
なんて思ってAの後ろを進んでいくと
いきなりAは一つの部屋に入る
「おい」
慌ててそれを追えば
中に倒れているへし切長谷部と秋田藤四郎がいた
『すまなんだ..へし切長谷部、秋田藤四郎』
Aは二人の亡骸に手を這わせると
小さく呟いた
『..間に合わず、済まなかった』
何が起きたのかすら分からないのにAは謝罪を述べた
「守ったのか..長谷部」
俺は長谷部の亡骸を見て一人呟く
秋田藤四郎に覆い被さる形で果てている姿を見れば、一目で分かる事であった
不思議と、涙は出なかった
しばらくするとAは立ち上がり、更に奥に進む
「..いい加減に出なければ死ぬぞ」
煙も激しくなっていた
あちこちが焼けるように痛くなってきている
だが..何を言ってもAは止まらない
─そして歩く事、数分
Aはようやく弟達を見つける
『あぁ..』
彼等は審神者部屋で横たわっていた
色のない声を漏らしたAは、力なく弟達に歩み寄った
『すまんなぁ..弟達』
視線を辺りに移せば..この部屋だけ荒れていた
襖は破れ畳は剥げて、血飛沫があちこちにある
横たわる三条派も皆が傷だらけであった
『守ってやるとほざいた結果がこれか..俺はもう、生きる意味も失ってしまったよ』
唐突に言ったAに嫌な予感が駆け回る
「A..？」
『すぐに行くから、待っておれ』
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黒兎@文ストマジ神。 - 泣けた、ただ一言泣けた。予想も出来なかった結末になった。人の命の重さを知った、今まではただの命だろう的な感じだったのでこの小説で良く分かった気がする。更新頑張ってください。(・ω・)ノ長文失礼しました (2018年8月14日 12時) (
レス) id: b4078055ec (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - リクエスト受け付けてたら、目茶苦茶難しいとは思いますが、死にかけの三条のお兄さんの手を握って「最悪の嫌がらせだ…！」って泣いてる大包平が見たいです。長文失礼しました。 (2018年7月17日 22時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - 終わった………ッ！終わりましたね！体の水分大量に持ってかれました。最後まで泣けましたな！未来を守る為に、皆を守る為に。そんなやつ書いてみたい！続編、楽しみにしてます。 (2018年7月17日 22時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 凛さん» いえいえ..神様.........ふむ、もしかして！ですかｗｗ......いやまぁ、ありがとうございます (2018年7月17日 22時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 風船ガムさん» 主様は神様でいらっしゃいましたか把握です。これからも応援してます〜！ (2018年7月17日 21時) (レス) id: 5d1985f1dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2018年7月4日 18時
