９６.足音 ページ11
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｢そろいましたXANXUS(ザンザス)様。晴･雨･嵐･雷･霧･雲･風…。ハーフボンゴレリングを持つ７人の守護者が｣
｢……。うるせぇよ｣
男は興味無いように吐き捨てた。
足跡はすぐ側まで来ている。
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あの課題の結果が出てから、数日経つ。
ラルさんは宿がないと言うので、一時的に私と恭弥君の家に住むことになった。恭弥君は許可を取らなくて良いとは言ってたけど、自分の家に私以外の人がいるのをひどく嫌う所がある。だから恭弥君は、ラルさんに離れの一部屋を貸す換わりにいつか戦うことを交換条件としていた。凄く恭弥君らしい。
｢足、踏み込みが足りない！｣
｢はい！｣
それからと言うもの、ラルさんは宿として借りている身として、よりいっそう私の修行に厳しく本気で向きあってくれるようになった。
私の鎖の扱い方の改善点だけを教えると、日の長い時間は専ら鎖鎌に相性の良い体術を実践で教えてくれるようになったのだ。
これが本当に厳しい。
｢腕！伸ばしきっていないと怪我に繋がるぞ！
しっかりしろ！｣
｢はい！｣
ラルさんは、攻防どちらの技も教えてくれるため、覚えることが多すぎる。
独学と恭弥君の配下の平和な並盛町で暮らしていたからか、私は攻撃面の手数が圧倒的に少ないようだ。鎖分銅も扱えるのだが、今まで私は相手に傷がつかないような使い方しかしていなかった。ずっと自分を守っていただけ。
ラルさんには、致命傷になるギリギリの技と攻撃する位置を教えて貰った。もちろん、恭弥君と戯れの時は、使う気は全く無いのだけど。覚えておけば何かの役には立つだろう、と言うラルさんの見解だ。
｢縛りあげるなら、素早く、絡まず、正確に！
もう一回！｣
｢は、い！｣
鎖の長さを生かして縛りあげる技も習っている。相手の身動きを完全に捕らえる時とか、相手の武器を取り上げるのも使い道がある。
｢一発で仕留めるなら、首の頸動脈が手っ取り早い。ジワジワと恐怖を煽るなら、動脈の通っている手首や足首がちょうど良いだろう｣
｢へぇ…｣
鎌で相手を一撃で仕留める方法と、適切に恐怖を煽る鎌の切り方を教わる。これは…まあ、相手に何か聞くときにでも使えば良い。
｢今日は以上だ。何か質問は？｣
｢ないです｣
｢そうか｣
いつの間にか日が落ちていることに気づいた。校舎の明かりで、辺りが明るいから気づけなかったようだ。校舎から漏れだすライトの光が無ければ辺りが見えないほどだった。
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作者名：月夜に猫が一番！ | 作成日時：2020年4月20日 17時
