４３.隣町(３) ページ5
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目を開けると、寝かされていた状態だった。部屋には少し光りが入ってきて、辺りがかろうじて見渡せる。
手をついて起き上がろうとすると、頭が鈍く痛み始めた。まるで、殴られた後のようにズキズキと痛む。
｢ここは…何処なんだろう｣
｢黒曜ヘルシーランドの一室ですよ。…お久しぶりです、姉さん｣
声が聞こえた方を振り向くと、思わず声を失った。
だってあの時、"逃げ出した"あの時から、成長した彼が居たのだから。
｢む、くろ君…だよね？｣
｢そうですよ。名付けてくれた、僕らの姉さん｣
｢どうしてここに…？今でもマフィアを恨んでいるの？…危ないことは、してないよね？！｣
彼はあの時からマフィアを恨み始め、マフィアの殲滅を生きる意味としていた。
｢すみません、もう実行しているんですよ。
…姉さんは、こちら側の人間ですので、このような形を取らせて頂ました｣
｢こちら側の人間って…そんな、私…っ｣
｢いえ、姉さんも同じだったはずだ。
自由の無い日々で…毎日誰かがいなくなっていき、次は自分かもしれないと恐怖に怯える。苦痛に耐えて、まだ死にたくないと足掻く。
…運良く生き残っても、またそれの繰返しだったこと。
覚えているでしょう？｣
そうだ、覚えている。
よくわからない場所に連れて来られて、目玉を埋め込まれて、泣いて。こんなところで死にたくないと思った。
だから私は、自分の、皆の生きる意味を見出だそうと努力した。…でも無理だった。
私たち四人以外は…もう。
あんな日々を過ごしたからこそ、強くなりたいと願った。恭弥君に出会えた事は、"奇跡だ"って言える。
｢それで、復讐を…？｣
｢復讐？そんな優しいものじゃないですよ。手始めに、ですから。…姉さんも一緒にどうです？｣
｢私は、…わからない。
確かにマフィアは好きじゃない。絶望した時もあったよ、何で私が！って。…だけど、違う生きる理由が見つかって…もう良いかなって｣
首を横に振った。
私は恭弥君に出会えたから、変われたんだ。
恭弥君がいるから、今の私が存在する。
独りぼっちにはしたくない。
｢そうですか。無理矢理、とはやりたくないので…作戦が成功したら聞きに来ます。今はまだ困惑してるようですし。
良い返事を待っています…クフフ｣
立ち去っていく骸君。彼をこんな風にしてしまったのは…マフィアのせいなのか…？
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おりひめ - このおはなしがだいすきですもういちどかいてください (2018年8月17日 20時) (
レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
おりひめ - つづきがきになりますかいてください (2018年7月29日 17時) (レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん - はじめまして。あーさんです！コメントを返していただくときはあーだけでお願いします(あーさんさんになるため)すごくすごく面白いです！私的に最高の設定です！！これからの更新楽しみにしています！頑張ってください！！ (2017年7月28日 13時) (レス) id: 7272f6eb3f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 楓 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2017年7月21日 15時) (レス) id: a468996f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夜に猫が一番！ | 作成日時：2017年4月14日 18時
