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｢……あれ？｣
目が覚めると、地平線まで広がった草原と雲が転々とした綺麗な青空が視界に入る。私は黒のセーラー服のまま、柔らかな風が頬を撫でるのを感じながら、その場に立っていた。
｢さっきまで病室にいたのに…？｣
私はつい先程まで、恭弥君が入院していた病室で書類整理を行っていたはずだった。なのに、この状況はなに？
もしかしたら、これは夢なのかな。恭弥君の頭を膝に乗せた後、寝落ちしちゃった…？
書類が少ないとはいえ、恭弥君の看病しながらやってたから、無理しちゃったのかな。まあ、休憩として眠るくらい別に良いか。急ぎの物は終わってた訳だし。
ただ立ち尽くしてもやることがないから、少し歩いてみる。が、行けども行けども同じ景色が続くばかりで変化はない。
そんな光景に突如、歩いてくる人影が。
｢…っだれ！？｣
｢…おや？姉さんではありませんか｣
｢え？骸君！どうしてここに！？｣
｢それは…僕が聞きたいのですが｣
骸君の事情を聞いてみると、こうやって精神世界を渡り歩いて、幻想散歩しているらしい。
牢獄内でやることもなく暇だった為に、私と精神の波長が合って遭遇したらしい。
ここは私の精神世界らしいけど、見事に何にも無いな…。あるのは心地よい風と、限りなく続いてる草原と、これまたずっと続いてるであろう雲の目立つ青空のみ。太陽が無いのに明るいのは何でだろうね。
｢そうだったんだ…骸君は…、元気そうだね。ケガは平気なの？｣
｢ええ。牢に入る前に手当てを受けましたから。後は自然治癒で治るでしょう｣
骸君と私はその場に座り込み、それぞれの経緯を話し合う。
｢良かった。ケガをしたのは私のせいじゃないかって考えてたから｣
｢ん？何がどうして、そのような考えに至ったのですか？｣
骸君達がヴェンディチェに連れていかれて、動揺した私の脳が弾き出した考えを説明する。
｢――で、あの時骸君達と別れてしまった私のせいなんじゃないか、と思って…｣
私達の間に絶妙な沈黙が流れる。
｢えっと…、つまり姉さんは、自分が初めから僕の側に居さえすれば、僕がマフィアを襲わなかった。とでも言うのですか？｣
｢そうです…｣
｢はぁ…、姉さんはいつのまにそんな狂った思考の持ち主になったのですか？やはり本当に平和ボケしたのですねぇ｣
｢な！……っ｣
しみじみと言う骸君に反論しようとすると、スッと彼の周囲の空気が刺すように冷たくなった。
その感覚に押し黙る。
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おりひめ - このおはなしがだいすきですもういちどかいてください (2018年8月17日 20時) (
レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
おりひめ - つづきがきになりますかいてください (2018年7月29日 17時) (レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん - はじめまして。あーさんです！コメントを返していただくときはあーだけでお願いします(あーさんさんになるため)すごくすごく面白いです！私的に最高の設定です！！これからの更新楽しみにしています！頑張ってください！！ (2017年7月28日 13時) (レス) id: 7272f6eb3f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 楓 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2017年7月21日 15時) (レス) id: a468996f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夜に猫が一番！ | 作成日時：2017年4月14日 18時
