５３.薬 ページ15
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手に匿ってた子を解放させると、翼をはためかせ私の肩にとまってくれた。それを確認してから獄寺隼人君の両腕を掴み仰向けの状態から起き上がらせる。
｢サンキュー…あー、えっと。これだ｣
獄寺隼人君は壁に背を預けた後に上着のポケットから、小さめの紙袋を取り出した。
それには内用薬の文字が並んでいる。
｢Dr.シャマルからヒバリに、サクラクラ病の処方箋を預かってきたんだ｣
そう言って袋の中身を取り出し、私に渡してくれた。カプセル剤のシートようだ。
確かサクラクラ病って、お花見の時のあれか。あのせいで恭弥君は桜を見るの苦手になっちゃったんだけど……。
薬を渡すってことは、Dr.シャマルも一応医者としての責任は感じてるのね。
｢これを飲ませれば良いの？｣
｢ああ｣
恭弥君が素直に服用してくれるかな…。と思いつつ階段を上り、恭弥君のもとまで移動。
廊下に犬君と千種君がいないのは、恭弥君が配慮してくれたから…って考えてしまうのは、自意識過剰？
｢はい、恭弥君。お薬だよ｣
｢そんな得体の知れない物を飲むなんて、ヤダ｣
そんな自分を内心では笑いつつ、シートから薬を出し、摘まんで恭弥君の口に近づけた。
しかし、信用している人の作る物しか食べたくない恭弥君の、予想通りの返答がくる。
｢これ飲まないと、サクラクラ病治らないよ？｣
｢別に。そんなもの飲む必要があるなら、治らなくても良い｣
｢あんな奴だが、一応医者だ。変なもんは渡さねーと思うがな｣
横を見れば、壁に手をついて立っている獄寺隼人君がいた。
｢しかも、六道骸は卑怯なヤローだ。そんな症状を奴に知られでもしたら、利用されるに決まってる｣
｢！｣
｢ほら、恭弥君。口開けて｣
｢っ…｣
言われた言葉に一瞬目を見開いた恭弥君は、私に促されておとなしく口を開けた。そのなかに薬を落とすと、恭弥君は嫌そうな顔をしながらもゴクンと喉を動かして飲み込んだ。
｢ヒバリ、これ１つ貸しだからな｣
｢……あの首謀者を咬み殺してからね｣
恭弥君は壁から離れ、再び足に力をいれてゆっくりと歩く。
｢いや、今だ。俺も１０代目の所まで連れていってくれ｣
｢……｣
恭弥君は無言で獄寺隼人君の肩を持ちさっさと歩き始める。
｢私も肩貸そうか？｣
｢Aは道案内して｣
｢ん、わかった！｣
(なあ、何でカゼモトはあいつらに"姉さん"って呼ばれてるんだ？)
(知ってるけど、僕が教えることじゃない)
(へー……大事にしてんだな)
(君には関係ないよ)
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おりひめ - このおはなしがだいすきですもういちどかいてください (2018年8月17日 20時) (
レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
おりひめ - つづきがきになりますかいてください (2018年7月29日 17時) (レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん - はじめまして。あーさんです！コメントを返していただくときはあーだけでお願いします(あーさんさんになるため)すごくすごく面白いです！私的に最高の設定です！！これからの更新楽しみにしています！頑張ってください！！ (2017年7月28日 13時) (レス) id: 7272f6eb3f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 楓 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2017年7月21日 15時) (レス) id: a468996f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夜に猫が一番！ | 作成日時：2017年4月14日 18時
