５２.複雑な(２) ページ14
ー
｢こいつ、バーズの鳥手懐けてやんの｣
そんな声に気づけば、恭弥君の肩にはあの子が降り立った。
｢じゃあ、このザコ２匹は頂くよ｣
｢好きにしやがれ｣
｢死に損ないが何寝ぼけてんだ？こいつはオレがやる｣
｢言うと思った｣
｢徹底的にやっからさ百獣の王、ライオンチャンネル!!!｣
そう言った犬君の口には歯形のカートリッジが取りつけられて、髪の毛の色が変わり爪も肉食獣のように伸びていく。
｢ワオ、子犬かい？｣
動き出した恭弥君から離れたあの子が、私の元に飛んでくる。心配してくれてるのか、避難してきたのかわからないけど、手の内に迎え入れた。
｢うるへーアヒルめ！！｣
掛け声と共に走り出した犬君を尻目に、恭弥君は足元に転がっていたトンファーを蹴りあげ、掴む。その手で一撃目をくり出す。
｢ひょい｣
犬君に避けられた反動で勢い良くその場を回転した恭弥君は、遠心力を使って二撃目を放つ。
｢!？｣
それを予想出来なかった犬君は諸にくらい、怯む。その隙を見逃さない恭弥君は思い切り力を込めて、殴り飛ばした。
犬君の体はあっという間に窓を割り、外へ飛んでいく。
｢犬！｣
｢…犬君…｣
飛んでいった犬君の方向を見て心配した表情を浮かべる千種君。恭弥君のことだから、相手を気絶させる程度の力加減は出来てるはず。
犬君達の行ったことは、並盛中学の風紀を乱すことと同じだから、恭弥君に咬み殺されるのは当然。だけど、昔の友人が殴られたのを見ると胸が痛む。
壁に少し体を沿わせて階段を上りきり、千種君のいる方へ歩を進める恭弥君。
｢次は君を……咬み殺す｣
千種君も近づいてくる恭弥君に気づき、ヨーヨーを構える。
しばらく睨み合って。
――動き出したのは、恭弥君の方が速かった。
千種君の武器であろうヨーヨーは中･遠距離専門だから、紐が伸びきるまで僅かな時間が掛かる。僅かな時間といっても、ほんの一瞬。１秒にも満たない時間だけ懐が無防備になる。
そこに恭弥君のトンファーが鋭く突き刺さった。
｢っぐ!？｣
思わぬ衝撃に千種君の体は耐えきれず、数メートル退けられた。それでも倒れない千種君はヨーヨーを構え直す――が、恭弥君の続けざまに放つトンファーが千種君の体を殴り飛ばした。
千種君の体は窓を割り、外へ。
｢終わった｣
恭弥君は立っているのもやっとなのか、壁に体を預けた。
｢……カゼモト、ヒバリに預かってるもんが有るから…手貸してくれ｣
｢ええ…良いわよ｣
ーー
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おりひめ - このおはなしがだいすきですもういちどかいてください (2018年8月17日 20時) (
レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
おりひめ - つづきがきになりますかいてください (2018年7月29日 17時) (レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん - はじめまして。あーさんです！コメントを返していただくときはあーだけでお願いします(あーさんさんになるため)すごくすごく面白いです！私的に最高の設定です！！これからの更新楽しみにしています！頑張ってください！！ (2017年7月28日 13時) (レス) id: 7272f6eb3f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 楓 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2017年7月21日 15時) (レス) id: a468996f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夜に猫が一番！ | 作成日時：2017年4月14日 18時
