４９.階段下の部屋(２) ページ11
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目を閉じて、意識的に能力を終了させる。
少量の光が差し込むこの部屋で、周りが通常色になったことから元に戻せたと安心する。この能力を使うと体温がなかなか戻らないから、恭弥君にあまり使うなと注意されてるけど、時間をおけば体温は戻るから大丈夫。
｢恭弥君はどうしてここに？｣
｢一昨日の夜、Aが連れさられてから、並中生が無差別に襲われていると知ってね。調べたら、その首謀者が同一人物で此処を拠点にしてると分かったから、咬み殺しに来たって訳｣
｢そうだったの…｣
一昨日の夜に私は連れてこられたんだ、時間の感覚があやふやだった…。
恐らく、私を連れてきたのは骸君で、千種君があんなに怪我をしていたのは、並中生を襲って返り討ちにあったから。
そして骸君が言っていた、なかなか出ない"当たり"と、リボーンさんが言っていた沢田綱吉君のファミリーの話。また、ボンゴレ９代目が御高齢でそろそろ引退という噂があった……。これらの情報から考えるに、骸君が行っている事は――
パシッと手を取られ、思考が停止した。
｢っへ!？｣
｢冷たい。…目を使ったね？｣
｢えっと…、はい。ごめんなさい｣
咎める口調の恭弥君に素直に謝る。
取られた手を軽く引かれ、しゃがんでいた体制から恭弥君の隣に座り込むと、私の体を緩く抱きしめて体温を分けてくれる。
｢使うのを控えるように言ったはずだけど。どうして使ったの？｣
｢ちょっと、見つからないように探索したくて…｣
｢違うな。何処かから出るために使ったでしょ｣
｢う…あー…、そうです｣
聞かれるだろうと思って用意していた"嘘ではない答え"をこんなにもあっさり、違うと見抜かれるなんて。
｢あれ、A。鎖鎌は？｣
｢…持っていかれたみたいで、ありません｣
私を抱きしめて体が密着したことにより、私がいつも懐に隠してる鎖鎌が無いことに気づいた恭弥君。
｢代わりの物は？｣
｢…無いです｣
｢無防備にそのまま来たの？…全く、無事で本当に良かった｣
はぁ…とため息をつきながらも、恭弥君はさらに腕の力を込めて心底安心したような声で言う。
｢ごめんなさい、心配かけて｣
｢本当だよ。いなくなったことに驚いたし、一昨日の見廻りに連れて行ったことを僕がどれだけ後悔したか。わからないだろ…、心配した｣
｢っ、恭弥君だ…｣
昼夜がわからない部屋でずっと不安だった。
久しぶりの恭弥君のあたたかさに、涙が滲んだ。
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おりひめ - このおはなしがだいすきですもういちどかいてください (2018年8月17日 20時) (
レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
おりひめ - つづきがきになりますかいてください (2018年7月29日 17時) (レス) id: 2de35fb714 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん - はじめまして。あーさんです！コメントを返していただくときはあーだけでお願いします(あーさんさんになるため)すごくすごく面白いです！私的に最高の設定です！！これからの更新楽しみにしています！頑張ってください！！ (2017年7月28日 13時) (レス) id: 7272f6eb3f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 楓 - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2017年7月21日 15時) (レス) id: a468996f5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夜に猫が一番！ | 作成日時：2017年4月14日 18時
