【ＲＥＢＯＲＮ】風のペンギン少女 partⅣ (ページ8)

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第９８話　声ページ8

―雲雀 (左上・ダイヤの領地)

二手に分かれたコースでは、先ほどとは比べものにならないほどの障害物や落とし穴などが邪魔をしてくる

一歩間違えれば死の危険もあるだろう

だが、易々とやられるような二人でもなく、コースを突破する二人

そしてゴールはすぐ目の前だ

大広間の中央にはいつの間にか大きな白い線が引かれている。恐らくあれを越せばゴールだ

バッ

同時に大広間へ出た二人

ゴールを目指して全速力で走る

そして

ダンッ

二人は白い線を越えた。ほぼ同時に見えたが・・

《勝負終了。勝負終了》

勝負終了のアナウンスが流れる

《勝者・・・・

ボンゴレ。勝者、ボンゴレ》

勝利したのは雲雀だ。わずか０，０１秒ほどの差だろう

貴「ハァ・・ハァ・・ッ」

その場に座り込むA

雲「・・・っハァ・・ハァ・・」

雲雀も息を整える

雲「きみ・・能力なしでも・・速いんだね」

貴「恭ちゃんも・・・速い・・・」

雲「A・・君は・・君自身はどうしたいんだい」

貴「私・・自身・・・？」

雲「君の本当の意思は？」

貴「！わた・・しは・・・・っ・・・ジョーカーの命令には従えない・・！」

そう、苦しそうに言う

貴「ジョーカーは・・ある日を境に変わってしまった・・・理由はわからないけど・・・もう、優しかったあの頃のジョーカーはどこにもいなかった・・・・っ」

雲「きみは、あいつを止めたいのかい？」

その言葉に、ゆっくり頷く

貴「けど・・ジョーカーの耳に、私達の声はもう・・・届かない・・・」

震える声で、俯きながら言う

貴「もうあの頃には・・戻れない・・っ」

グイッポス・・

貴「！」

雲雀に正面から抱きしめられ、少し驚くA

雲「大丈夫・・届くよ。君の声は届く」

貴「きょう・・ちゃん・・・・」

雲「僕には届いてるよ、君の声。だから必ず、あいつにも届く・・・行こう。あいつを止めたいんだろ？」

貴「・・うん・・っ」

そのまま雲雀に手を引かれ、城を後にする