EXOと神様の昔話 (ページ4)

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愛しい君へ② ページ4

｢韓国に行くことにした。｣

どこにも、

｢悪いけど、しばらくは連絡しないと思う。｣

どこにも行かないと思ってた。
どこにも行かないでほしいと思ってた。

｢自分で決めたことだから。｣

荷物をまとめて出ていく小さな背中を、俺はただ見つめることしか出来なかった。

｢Aっ...！｣

知ってた。
韓国から帰ってきてから数ヶ月、毎日色んなことをしていたから。

けどそれは全部、今日この家を出ていくためだったんだな。

お前は歌を歌うべきだ。
お前が歌うのが好きなら、歌うべきなんだ。

絶対に成功するさ。
だってお前は凄いから。

俺が救われたみたいに、彼はきっとたくさんの人の心に寄り添って、その歌声で包み込んでくれる。

俺にできないこと、けどいつか俺がしたいこと。
俺の夢。

それはお前だ。

お前の叶えたいその夢が何なのかはわからないけど、それがお前の選ぶ道なら、俺は止めない。
止められない。

1人で行かせるのなんて本当は嫌だけど、可愛い弟があんなに悩んで決めたことなんだ。
黙って見送るのが兄として正しい選択だろう。

だけど、もしAが幸せに過ごせないなら、その時は気絶させてでも無理矢理連れ戻す。

だって俺はお前のお兄ちゃんだから。