EXOと神様の昔話 (ページ9)

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モンペ誕生秘話① ページ9

EXOは韓国で活動するKと、中国で活動するMとに分かれる。

俺達中国人メンバーはMに固まってて、その他にはミンソクとジョンデ、そしてシン。

ジョンデやベッキョンも遅くにメンバーに加わったけど、シンはそれよりも後に現れた。

シンのことは噂でしか聞いたことがなかった。

週に一度の評価の時だけいるやばいやつの噂。
一度もレッスンを受ける姿を見たことがないのに、高評価を受けるだけの実力があるらしい。
そんな噂しか知らなかった。

初めて会った時は、正直女なんじゃないかと思ったくらいひょろっとしてて、弱そうなやつだなって思った。
表情もあんま無いから何考えてるかわかんないし。

それから関わることが増えたけど、未だによくわからない。

シンはKとMの両方に所属するらしい。
ということは韓国中国を行き来する回数も多くなるだろうし、過酷なスケジュールが待っているのは確実だ。

練習生期間も短いシンは急なデビューにまだ準備出来ていないはず。
それはあまりに負担が大きすぎる。

それなのに、シンは要求される全てに100点で応えていた。

いっそ清々しいほど完璧だ。

容姿に秀でてるだけじゃない。
ダンスもバランスが取れててソツなくこなすし、人と踊ることに慣れているのか周りもよく見えてる。

何より、彼の歌声には俺達もみんな驚いた。

まさに非の打ち所がない。
完璧と言わざるを得ないやつだった。

だからなのかもしれない。
俺はシンがあんまり好きになれない。

シンは何となく俺達に壁を作っているように感じるし、実のところ必要以上に俺達に関わらないように生活してると思う。
一緒に食事してても自分からは話し出したりしないし、話はちゃんと聞いてるけどいつも短い相槌を打つだけだ。

そんな態度が何となく鼻について、いけ好かないやつだな、と思った。

｢え、シン？別に？普通じゃん？タオはいい人だと思うけど。｣

タオに言ってみても、タオはシンにある程度懐いてるみたいで共感は得られなかった。
リーダー達は積極的に話しかけてるからか同じことを言うし、なんか俺が間違ってんのかと腹立たしく思えてきた。

そんな頃だった。

｢ルハニヒョン･･･今大丈夫ですか？｣

暇だったからリビングでごろごろしてたらシンが話しかけてきた。

｢何？俺そんなに暇じゃないけど。｣

きつく当たるつもりじゃなかったけど、ついつい言葉が刺々しくなる。
しうちゃんに見つかったら｢年下いじめるな！｣って怒られそう。