シン様の特別な女の子のはなし �� ページ11
『でも君が手を引くなら僕はきっと行かなかったよ。』
『え？』
『君があの時背中を押してくれたから僕は今ここに居るんだ。』
今になってそんなことを言う彼は、ずるい。
だからこの夢はいつまでも醒めない。
だからこの魔法はとけることがない。
彼のことを好きな人が何人いても、一番彼と一緒にいたのは私。
それは目の前のメンバーにだって負けない時間だ。
いつか追いつかれてしまう日が来るのかもしれないけど、それまではこの優越感を味わっていたい。
わかってる、彼がかっこよく、美しく、素敵な男の人になったことなんて。
そこには私の知らない時間があって、私が知らない彼がいるってことも。
でも、私の思い出だって誰にも譲れないものなの。
それに、やっぱり彼はメンバー達からものすごく愛されているようだ。
だって彼らが私のことを少しだけ、よく思っていないのが伝わる。
その感覚はよく知ってるものだった。
あの女の子達と一緒。
ありえない、今誰よりもシンくんのそばにいられるくせに、まだ上を望んでるの？
幼馴染みなんてどうやったって手に入れられないポジションなのに。
むしろ“メンバー”の方が羨ましい。
私相手にそんなわかりやすく嫉妬して、いっそ笑えてくる。
愛されやすいシンくんにも困ったものだ。
私がシンくんに少なからず好意を向けられているだけあって、彼らは完全に敵意を表に出せずに複雑そうな表情をしている。
なんだか気分がいい。
私はもう彼の1番じゃないかもしれないけど、それでも。
『はい、今の僕の連絡先。携帯変えちゃったから。』
『いいの？私がもらっても。』
『何言ってるの。君は特別だよ。』
…“特別”でいられるなら、今はそれで嬉しい。
けど、後ろのメンバー達が面白い顔してるわよ？
『EXOのみなさんよろしくお願いしまーす！！』
彼との再会は他のスタッフさんの声で終わりを迎えた。
一瞬で切り替えてもうアーティストの顔になるEXOを見て、やっぱり住む世界が違うのだと思い知らされる。
『まっ、負けませんから！！』
去り際に放たれたチャニョルさんの言葉に、周りが頷く。
シンくんだけがいまいち理解していなかったらしい。
自分のことに鈍感なところは昔から全く変わっていないみたいだ。
『のぞむところです。』
私は小さな対抗心を燃やして、彼らの背中を見送った。
これは完全に余談だけれど、この日を境に、私はEXOの沼へと落ちるのだった。
もちろん推しはシンくんである。
ザルにも底はある �、�←シン様の特別な女の子のはなし ��
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名無し87778号(プロフ) - お久しぶりでとても嬉しいです泣 小説読んでギョンスが兵役行くのがすごく寂しくなりました (2019年6月28日 1時) (
レス) id: fa16a757ec (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - Twitter……気になります… (2018年9月18日 6時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
照り塩(プロフ) - お待たせしました！酔っ払いシン様かけて私も楽しいです。 (2018年9月17日 23時) (レス) id: faa7a37d67 (このIDを非表示/違反報告)
照り塩(プロフ) - xiuloveさん» 酔っ払いシン様は制御不能です、、、 (2018年9月17日 23時) (レス) id: faa7a37d67 (このIDを非表示/違反報告)
マイマイ(プロフ) - 更新ありがとうございます。酔っ払いシン様可愛すぎです｡･ﾟ･(*ﾉД`*)･ﾟ･。 (2018年9月14日 6時) (レス) id: d4546e4e20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちご | 作成日時：2018年7月15日 0時
