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第肆拾陸話 ページ48

懐かしいあの夢だ

あの日の……


『琴音!!琴音ぇ!!いやぁ!お願い死なないで!!』

琴音『姉さん……ごめんなさ……』

『大丈夫だからね、姉さんが何とかしてあげるからね』


分かってた、妹が…琴音がもう助からないことくらい

でも、納得できなかったのよ……

私は必死にいない神様にお願いした……


『神様!!妹を連れてかないでください!!私と違って優しい子なんです!!

私なんかの為にあの両親に頭を下げてくれたんです!!バチを当てるなら私にしてくださいませ!!』


屋敷の庭の中心で必死に叫んでいた

寒い雪の日だったから、琴音の血で雪が真っ赤に染まっていった

足が凍傷になりかけていたのもお構いなしに私は叫んだ

ふざけるな

なぜ私じゃないのよ

こんな優しい子がなぜ人並みの幸せを掴めないまま死ななきゃいけなかったのよ

糸が切れて散らばっていく首飾りの真珠のように涙が溢れ出た


琴音『ね…えさん…い、いの』

『琴音…嫌よ…私貴女がいなきゃ生きていけない…』

琴音『姉さんが…私を守って…くれた…みたいに私も…』


"姉さんを守りたかった"

琴音は自分の腕の中で弱々しく微笑んでいた


琴音『姉妹だから…同じことを考えてるの…ね
姉さん…私は幸せだった…誰よりも…

姉さんは世界で…一番優しい人だから…』


"その優しさを…誰かの為に使ってあげて…姉さんを必要としている人達の為に…"


琴音『姉さんの…妹で本当によかった…あり、がとう…姉さん』

『琴音!!琴音ぇぇ!!いやああぁぁぁぁ!!』


雪が降りそうなまま執拗に曇った空がとても鬱陶しかった





「琴音!……夢」


目を覚ますと船上の光景

頬が涙に濡れていた

船の上で潮風が吹くたび泣いた跡の目の縁がヒリヒリとする

琴音……

姉さん、頑張れてるかしら?

鬼殺隊でね、誰かを助けるたびに泣きながらありがとうって言ってくれるのよ

時透君って子がね…私に花をくれたのよ

とっても綺麗な花をくれたの

今は船長さんのお役に立ててるかしらね

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射命丸紫(プロフ) - 天の川さん» 実は記憶が曖昧でございまして、主人公ちゃんが煉獄さんの継子の作品でしたね。面白かったので是非読んでみてください! (2020年5月10日 0時) (レス) id: 8cde876daf (このIDを非表示/違反報告)
射命丸紫(プロフ) - 名無しさん» ご指摘ありがとうございます。返信が遅れすいませんでした! (2020年5月10日 0時) (レス) id: 8cde876daf (このIDを非表示/違反報告)
天の川 - ワンピースと鬼滅の刃の神作の題名なんですか?よければ教えてください!! (2020年5月9日 12時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 面白かったです!あと、蜜璃ちゃんの隊服を作ったのは花田さんじゃなく、前田(まえだ)さんですよ! (2020年4月29日 9時) (レス) id: 5c72e7066e (このIDを非表示/違反報告)
射命丸紫(プロフ) - 笑舞さん» 感想ありがとうございます!そう言って頂けると励みになります!楽しんで読んでくださると幸いです! (2020年1月24日 1時) (レス) id: 8cde876daf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:射命丸紫 | 作成日時:2019年12月18日 11時

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