標的77 ページ31
5日後という遠いようで近い日付に躊躇するツナに対し、笹川はこの機を逃すと次にいつミルフィオーレに対して有効な手立てを打てるかわからない、と言う。
「オレ達のアジトだって、敵にいつ見つかるかわからんのだ。早くて悪いことはない」
ラルさんの言葉には一理ある。でも、ツナが気にしてるのは5日後ってことだけじゃない。
「なんか･･･こんなマフィアの戦争みたいなのに参加するって･･･オレ達の目的と違うっていうか･･･」
そう言って躊躇うツナだけど、目的が合致しているとラルさんに言われ、更にリボーンの一言で何気に守護者が揃っていることに気づいて、一気に話が逸れた。
「余程みんなの日頃の行いが良いんだな」
「バカか!! ノーテンキな言い方すんな!」
そう山本に怒鳴った獄寺はツナの方に向き直ると、ボンゴレの守護者としての宿命がオレ達8名を引き合わせたんだ、と言った。
その言葉に柄にもなく喜んでしまった自分がいた。
ずっと私はただの“オマケ”だと、そう思っていたから。
「まあ他にも話すことはあるが、それはあとだ。
良いか沢田、確かにこの作戦はボンゴレの存亡を懸けた重要な戦いだ。
だが、決行するかどうかはお前が決めろ」
「なぁ!? オレがー!?」
「現在ボンゴレの上層部は混乱しているし、10年前のお前達を信用し切ったわけではない。
ヴァリアーもあくまでボンゴレ9代目の部隊という姿勢だ」
まあ、当然のことだろう。
もしもここにいる私達がミルフィオーレのスパイだったら、という可能性も考えて、信用しないのが一番良い。
「ツナの一存で作戦全てが中止になるようなことはないってこと?」
「ああ。だが、このアジトのことはここの主であるボンゴレ10代目が決めるべきだと極限にオレが言っておいた!!」
「でかくなったな、了平」
中止の場合は極限にオレが首脳に伝えに行く、と言って決断をツナに丸投げした笹川はさっさと立ち去り、残されたツナは「責任が重過ぎる」と悲鳴のような声を上げた。
「ボスが情けねー声出すんじゃねぇ。まずは5日後にお前が納得できる戦力を確保できるか考えるんだ」
「5日後に予想されるクローム髑髏の状態と、お前達の修業の仕上がりだな」
「そ･･･そーだよね･･････。戦いに･･･なるんだもんな･･････」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 121人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水鏡 | 作成日時：2018年10月25日 9時
