標的74 ページ28
恭弥さんの言葉に愕然とする私を見て、草壁さんが補足してくれる。
「正確にはフクロウの匣アニマルです」
「･･･もしかして、“骸が憑依している”ってことですか?」
頭に浮かんだ仮説を言ってみれば、返ってきたのはまさかの肯定。
「･･･何やってんのあのバカナッポー」
思わず冷ややかな視線を写真に向けてしまったのは不可抗力だと思う。
「･･･一体君はいつ六道骸とそんなに親密になったの?」
呆れたような視線を向けてくる恭弥さんに「親しくない」と即答した。
だってこの時代の私は知らないけど、私があのバカと会ったのは黒曜の事件の時を含めてたった二回。
それで親しいと判断されちゃ困る。
「･･･あいつには多大な借りがあるんですよ」
「クローム髑髏関係で?」
(･･･なんでそこまで知ってるのこの人!?
もしかしてこの時代の私が話した? いやまさか!!)
ふと頭をよぎった考えに、嫌な汗が背中を伝う。
「･･･もしかして、あいつから聞きました?」
「･･･フン」
その不機嫌そうな様子は当たってるんですね。
･･･あのナッポー、南極海にでも沈めてやろう。
＊＊＊＊＊
「骸に動きがあったってどういうことですか?」
ナッポー抹殺の意志を確固たるものにした私は、ブリーフィングルームでツナ達と共に草壁さんの話を聞いていた。
曰く、
そして最近「骸を第8部隊隊長が倒した」という情報がミルフィオーレから発信された･･･。
でも、やはり骸は死んではいない。
その証拠に、クロームがイタリアの空港で男と接触しているのが捉えられてる。
それらのことを説明した草壁さんは、続けてさっき私が見せてもらった写真をツナ達に見せた。
端にちらりと写るモノを見た獄寺、山本はある意味普通の反応をする。
「我々はコレに、骸をもじってコードネームをつけました」
「骸が憑依したフクロウの匣アニマルだから、“ムクロウ”だって」
私がそう言った途端に、鳴り響く警報音。
ジャンニーニ曰く黒曜ランド周辺で一瞬データにない強いリングの反応があったらしい。
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作者名：水鏡 | 作成日時：2018年10月25日 9時
