【REBORN!】風の如く影の如く。弐 (ページ13)

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標的59 ページ13

ヴェリタの匣はアジトに戻ってきてからどこにあるのかわからないけど、多分あの人が持ってるから心配はしてない。

ヴェリタの技の特訓ができないなら、基礎的な体力づくりや射撃訓練･･･やれることはたくさんある。

なんでも良いから強くならなきゃ。
大切な人を、みんな護れるくらいに強く。

そう決意してトレーニングルームまで直通のエレベーターの前にきた私は、その前に立つ人物を見て顔が引き攣るのを抑えられなかった。

「何してるんだい、こんな夜更けに」

まるで私がここに来るのを知っていたかのように黒の寝間着姿の恭弥さんが立っている。

この状況はかなりマズイ。

何故なら私は傷が完治するまで修業禁止だから!
言いつけ破ろうとしてたのがよりにもよってバレたら一番ヤバイ人にバレたから!!

「子供はもう寝る時間だよ」

完全に顔から血の気が引いている私に恭弥さんが言ってくる。

偶然か、それともワザとなのか･･･その言い方は私のヘナチョコな兄弟子にそっくりで。

「･･･ディーノの過保護が伝染(うつ)った･･････?」

思わず呟くと突然の宙に浮く感覚。

「悪いけど僕は跳ね馬に何も伝染(うつ)されたりしてないよ」

恭弥さんはそう涼しい顔で言ってきた。私をお姫様抱っこしながら。

････････････え?

「え、ちょ、待って･･･」

「ヤダ、待たない」

いや駄々っ子ですか貴方は。

脳内でツッコミを入れられても逃げ出すような勇気は皆無な私は、何故か味方に拉致されてしまったのである。