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それが災いして、風香は木の根に躓いて見ているのがバレ、不良集団に捕らえられていた。
ツナだけでなく、雲雀、獄寺、山本までもが集まったことで追い詰められた不良達が切り札とように見せてきた風香は、後ろ手に腕を掴まれている。
「風香、何してるの」
「何か企んでそうな不良見つけたから証拠掴んでから委員長に報せようと思ったらポカやって捕まった」
特に何の感情も読み取れないその声音に、雲雀は嘆息した。
これでも雲雀にとっては精一杯風香を気遣ったのだが、風香は気づいていない。
いや、それどころか、今自分が気遣われるような状況だというのも気づいていない。
風香には、そういうところがあるのだ。
世間一般の常識など、自分には関係ないと思っているような節が。
「･･･とりあえずそこにいられると邪魔だから」
「はいはい」
そう言った風香は容赦なく不良を蹴り、さっさと退こうとしたのだが、近くにいた不良に浴衣の袖を掴まれたことによりその動きは止まった。
彼女の“おじいちゃま”･･･ボンゴレ9代目から『少し遅めの誕生日プレゼント』という名目で贈られた浴衣。
その片袖が、不良が強く引っ張ったことにより破れてしまったのだ。
風香が破れた袖を目にした瞬間･･･周囲の温度が二、三度下がった。
「･･･委員長、作戦変更。私もこいつら殺る。再起不能になるまで叩き潰す」
「ひぃぃぃ!! スゲーおっかねー!!」
その後、宣言通り不良を再起不能にしたお陰でか我を取り戻した風香によって、ツナたちの屋台の売り上げが回収されるのは阻止されたのだった。
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作者名：水鏡 | 作成日時：2018年8月13日 10時
