標的40 ページ43
ツナside
ボヴィーノファミリーに伝わる10年バズーカは、その名の通り当たった人間を10年後のその人と入れ替えることができるスゴイものなんだ。
でも、効果があるのは5分だけ。5分経ったらまた自動的に入れ替わる･･･はずなんだ。
前の日に10年バズーカに当たってから姿が見えないリボーンを探していたオレと獄寺君は色々あって当たってしまい、10年後の未来に飛ばされて何故か戻れなくなった。
その世界では勢力を伸ばしてきた“ミルフィオーレファミリー”がボンゴレに関わる人間を始末する『ボンゴレ狩り』を進行させていて、9代目のいた本部も壊滅状態に陥っていた。
突然襲ってきたけど結局味方だったらしいラル･ミルチと、
ストゥラオっていうモスカに襲われた時に助けてくれたこの時代の山本と一緒に並盛の地下アジトに行くと、
そこにいた変な格好をしたリボーンに「戻れない以上ここで起こっていることはお前達の問題だ」と言われて、散り散りの守護者を集めることになった。
そしたら、リボーンとオレ達の話を聞いてた山本が、「ちょっと良いか」と言ってきた。
「一人だけ、どうにかなるかもしんねー人がいるんだ」
山本に先導されて着いた部屋には、予想すらしなかったモノが置かれていた。
「これは･･･」
それを見て、リボーンが思わず、という風に呟いたけど、オレは何も言えなかった。
そこにあったのは、大きな氷像だった。
その中には、何処かで見たことがあるような女の人がいる。
「零地点突破･初代エディションだな」
「“今”から5年前に、ツナがやったんだ」
「山本、この人、もしかして･･･」
「風香さんだ」
やっぱり。
だって髪の色も同じだし、服装も制服と同じような黒のパンツスーツだったから。
･･･なんで、5年後のオレは風香さんを凍らせたりしたんだ?
オレはそんなことしない･･･いや、出来ない。
リング戦の時、毒に侵された体でオレ達のことを守ろうとしてくれた風香にこんなことをするなんて･･･出来ないよ、絶対に。
考えて、青ざめているオレに気がついて、山本が声をかけてきた。
「ツナ、5年前のお前は風香さんを傷つけるためじゃなく、助けるためにこうしたんだとオレは思うぜ」
「た、助けるために?」
オレの呟きに、山本は頷いて続けた。
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作者名：水鏡 | 作成日時：2018年8月13日 10時
