【らっだぁ】嫌いなお隣さん

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さっきまで異常と言っていいほど喋ってくれなかった緑色が、今何故私の名前を呼んだのか
何となく、わかってしまう
出会ったのはついさっきだが、彼は私をらっだぁと仲直りさせなければいけないと思ったのだろう
しかし私は言葉に行き詰まった。だから名前を呼んで、私を謝れるよう勇気づけてくれたのだ
緑色も、きょーさんも、心配してくれている
私は期待に応えなければいけない

『らっだぁ･･･いや、福田さん。その･･･勝手に怒って、すみませんでした』

頭を深く下げる
今の顔をらっだぁに見られたくない。半分泣き顔だ
数秒経つと、いいよと言う声が聞こえる
顔をゆっくりと上げ、らっだぁと顔を合わせる
その時のらっだぁの表情は、笑っていた

『何で笑ってんねん』

きょーさんの喋り方がうつったのか、関西弁で言う
それを聞いたきょーさんも、「俺の喋り方真似すんなや」とでも言いたそうな顔をしている
真似をしたつもりはない、うつったんだ

「小林さんって、意外と女の子っぽかったんだ」
『やっぱおめー失礼やわ』

引っ越してきた時は私が悪かったとして、やはりこいつは失礼だった
私だって立派なレディーだ。好きな人の一人や二人……おしゃれとか好きだ
なのに意外とってなんだ、意外とって
本当に失礼な奴だ。しかし、不思議と悪い気はしない

「何やお前ら、普通に仲ええやんけ。さっきまでのシリアスムードどこに行ったん？」
「別にシリアスじゃない方がいいでしょ！？てかまだそこまで仲良くないし！！」

きょーさんとらっだぁが言い合う
そこに早くゲームがしたそうな緑色が加わって、スイッチのコントローラーをらっだぁの手に押し付ける
とても仲が良さそうで、少し微笑ましい

そう言えば、さっきのお礼を緑色にしてなかったなと思い、コソッと礼を言う
緑色は「ン」とだけ言い、照れくさそうにする

「どりみー、A。マリカーしよーやー」
「おいっ！そこは黙ってスマブラだろ！？」

はいはい交代な、私が二人の頭をわしづかみにして言う
何だろう。きょーさんよりらっだぁの方がつかみやすい
あれか。顔がでかいからか。きょーさんの方が

「じゃー俺先な」

きょーさんが言う
それに対しらっだぁは、嫌そうな顔をしながらも「ぽけ」と言う
後で知った話だが「ぽけ」とは「おけ」のことらしい
何てややこしいんだ

そう思いながらも、らっだぁこと福田は割といい奴…だった
今日は喧嘩のようなものも終わり、その後も四人でゲームをしまくっていた

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