【らっだぁ】嫌いなお隣さん

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『…は？』

思わず声を漏らす
裏側だと？一度も来たことがなかったから気付かなかった
そんなことより、アパートの裏側で迷子になってただなんて教えてしまったのか
ただのバカじゃないか、そんなの
本当、何でよりによってらっだぁなんだ

「もう夜おせーぞ。学生は早よ家帰れ」

分かってるよ。そう吐き捨てて自分の部屋へと向かう
しかし、ある重大なことに気付き、足を止める
この場で頼れるのは必然的にらっだぁしかいない
らっだぁの方を振り返って、恐る恐る言う

『鍵がない…』

はぁ！！？
らっだぁの叫び声が耳に響く
何だこいつ。普段声小さいくせに、叫ぶとうるさいな

らっだぁは頭を押さえながら、何かを考えているようだ
ぼそぼそと独り言をたまに言う
すると大きなため息をつき、私の方を見てくる

「しょーがねーから、今日だけ俺の家に泊めてやんよ」

なんだかイラつく言い方だが、泊めてくれるなら一応礼は言っておこう

らっだぁに誘導されるがまま、家の中に入る
そこには、昨日きょーさんたちが散らかしつくした部屋が目に映る

『もしかしてさ…私が初めてあんたと出会った時、きょーさんたちが家に来てたんじゃ…』
「あ、わかった？そーなんだよアイツら、いっつも散らかすんだから〜」

大変なんだよ〜、と物をどかしながら言う
その物の中に、一枚の写真が埋もれているのを見つける

拾って、勝手に見てみると、そこには六人の男性が写っていた
その中の三人はらっだぁたちで、残りの三人は知らない人達だ

「あっ、懐かしい〜ん。近海さんもいるやん、いつのやつだろ」

その写真を、らっだぁが横から見る
きんかいさん…と言うのが仲間の一人の名前らしい
しかし私にはその人より、もう一人の人が気になる
どこかで見たことがある…しかしどこかがわからない
背の高い…優しそうで…赤い…

『あっ！ガストさん忘れてた！！』

いきなり叫んで、らっだぁが「アンッッチ？」と、謎の驚き方をする
だが今はそんなことを気にしている暇はない
部屋の周りを見渡して、時計を確認する
７時45分。もう間に合わない

大きなため息をつき、らっだぁなど気にせず寝転ぶ
もう少し遠慮はしろよ、と言う感じのキツイ眼差しが私の心をえぐる

『なあらっだぁ。お前の仲間に「ガスト」っつー名前の奴おる？』
「ガスト…？もしかしてレウさんの事？背が高くて優しそうなやつ？」

頷くと、「レウさん偽名がガストって安直過ぎん？」と一人で笑っていた

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