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病院の中でも、構わず走り抜ける
看護師さんたちに注意をされるが、今の私には聞こえない
他の患者を気遣うこともできずに、急いで母の部屋を開ける
『母さんッ！』
目の前に映るのは、母の眠っているベッドを取り囲む医師や看護婦
そして、泣きながら母の手を握る父
『母さんは、母さんは無事なの？父さん』
私が聞いても、父は反応もせず、ただただ泣き続ける
医師に聞こうとしても、少しうつむくだけで、何も言わない
この時点でもう察しがついてしまったが、まだ受け入れられない
私はピクリとも動かない母の体を、起こすために触った
その時の母の体は、恐ろしいほどに、冷たかった
目元が熱い
頬に涙がつたるのがわかる
頭が真っ白になり、何も考えられない
ああ、死んでしまったのか
間に合わなかったのか
もう二度と会えないのか
そう思うと、やりきれない感情に押しつぶされそうになる
少しでもそれを紛らわすためにか、自然に足が動く
部屋を出て、病院を出て、ただただ走り続ける
何処かもわからないまま、がむしゃらに
疲れてもう動けなくなったころには、日は沈んで真っ暗になっていた
何処かもわからない都会の暗い夜道は、予想以上に不気味だ
今持っているのはスマホとお金のみ
今どこにいるか確認できるかと思ったが、充電が丁度なくなって確認ができない
もう一度周りを見渡しても、知らない建物ばかり
母の死と、今この現状に対する恐怖で再び涙が出てくる
『母さん…ここどこぉ？帰れないよ…』
自分でも情けないと思うような声が出る
中学生以来だ、こんなに泣き叫んだのは
カサっ、と物音がする
誰かいるのかもしれないと思い、周りを見る
すると、後ろに人影らしきものが見える
誰かを確認する前に、両手で涙をぬぐう
こんな姿誰にも見せられない
「あれぇ…もしかして小林…さん？何してんの？」
そこに現れたのは、昨日会ったばかりのらっだぁであった
よりによってなんでこいつなのだ
そう思ったが、同じアパートなので場所が聞けることに気付き、少し安心する
『迷子…』
そう言うと、らっだぁは数秒フリーズする
我に返ったかと思えば、急に吹き出して、笑い転げる
「っま、マジか。バカだバカだと思ってたけど、ここまでとは…」
『っ、何だおめー失礼だな。割とシリアスモードになってたのに…』
らっだぁは笑いを抑えながら、指で私の後ろに合った建物を指した
その建物を見た私は、思わず口を大きく開けてしまう
「ここ、アパートの裏側なんだけど」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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あなた(プロフ) - 好きですこういう風な作品 頑張ってください続き待ってます (2021年8月19日 6時) (
レス) id: c0b72f74df (このIDを非表示/違反報告)
ライム DS民 - 好きです。お母さんの辺りの下り泣きました。涙脆いので。ぴー…更新がんばです (2021年2月27日 17時) (レス) id: 01ab6b60a3 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ありがとうございます！こんな小説を待ってくださってたのですか…。十分に期待に応えれるかわかりませんが、頑張ります！！ (2020年12月30日 10時) (レス) id: 943617a74a (このIDを非表示/違反報告)
トウモロコシの精霊 - はじめまして。なんか、突然ですけどありがとうございます（号泣）らっだぁ好きなんですこんな小説待ってたです（た◯ちゃんかな？）これからも頑張ってください、応援してます！れ！ (2020年12月29日 23時) (レス) id: 2121190109 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪 - ありがとうございます！やっぱりコメントもらえると嬉しいですね。これからも頑張ります！ (2020年12月28日 14時) (レス) id: c2cb196f96 (このIDを非表示/違反報告)
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