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side萩原:憶えてるんだ ページ35

「俺その時は、米花中央病院にいたからさ…ちゃんと話し聞いたの初めてなんだけど?」

ほんと、Aちゃんって無茶するよ…

「無茶の技量は弁えてるって本人言ってたぞ?」

なんだそれと諸伏に言葉を返した…

「俺未だにAちゃんの言った言葉が忘れらんねぇんだよな…」

宙吊りになった時、誰よりも怖い筈なのにさ…

「“下にいる奴等が一生後悔する、だから死んだらダメだ”って…」

良く覚えてる、あの時の光景。

「陣平ちゃんもみえたから、うわこれは確かに死ねないなぁ…って」

映像見た時は洒落にならなかったよ…

「俺は本庁でみたんだけどな…萩原、あれは本当に心臓に悪かったからな?」

諸伏の言葉にほんとに悪かったよ…と言っておく

「それに、Aの兄貴か?仕事ほっぽって病室に駆けつけた時の剣幕はヤバかったな…」

陣平ちゃんの言葉に反応したのは諸伏だ

「え、風見さんどんなだった?」

「「え、風見?…あぁ兄貴の方か…」」

そういやAちゃんの苗字風見だったなぁ…すげぇ違和感…

思わず松田とハモったけど…

「“お前が死ぬかもしれない状況に仕事なんてしてられる訳がないだろ!!?”って平気な顔してたAちゃんに怒鳴ってた…」

「風見さんめっちゃ男だ…」

「お兄さんの鑑みたいな奴だなその兄貴…」

諸伏に続き伊達が言ったけど、確かにAちゃんのお兄さん本当にお兄さんだし寧ろ家族の鑑だよな…

「因みにそれでAが泣いた。」

「「え」」

「理由が“久々に兄の顔を見れて嬉しくて泣いた”だって…なんか“2週間位お兄さんに逢えなくてセンチメンタル拗らせて”て、寝不足だったらしいし…それで仮眠とってる間に逃げ遅れたって聞いたよ。」

「なんかその話聞いた事ある。」

「2年前の観覧車の時もそんな事聞いたぞ…?」

「まぁ何だ、風見ちゃん?…は兄貴が大好きなんだな。」

俺の言葉に続く様に頭を抱えたのは諸伏…序に陣平ちゃん、その話は俺初耳よ???

コンコンッとノックの後に応接室の扉から顔を出したのは凪ちゃんだ。

「先輩達、お昼完成したんで皆さん事務所のテーブルまでご同行願います…!」

「何俺等しょっぴかれるのか?」

「しょっぴかれるのは陣平ちゃんオンリーでしょ…」

「ハギテメェなんだってか?」

「まぁまぁ松田落ちつけって…」



何処か“懐かしく感じるこの場所”に居られるのは、あの時“死ねない”と言った君が掴んで離さなかった掌のおかげだと、今で思う。

全員警察官なの笑う→←side松田:消せない傷



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瑠衣(プロフ) - とても面白くて大好きです!これからも頑張ってください! (2020年4月16日 20時) (レス) id: 44c29d146e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:喜怒哀楽は見切り発車 | 作成日時:2019年11月15日 16時

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