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ぼっちは慣れっこなので 凛音 ページ46

大決闘祭準々決勝も第二戦に入り、会場ではますます熱狂が高まっていた頃。

「……あの、本当にここまでで良いんでしょうか?まだ私に出来る事はありませんか?」

花咲凛音は、宿屋の前で藤堂薫相手に押し問答をしていた。

「本当に大丈夫です。お気になさらず」
「そうは言っても、私には一度貴方を置いていったという罪があります。お言葉に甘え、再び貴方を置いていくような事があれば、我が人生一生の不覚……このままでは筋が通りません。私になんでも言って下さい。この通りです」

凛音はスカートのひだが乱れるのを気にも留めず跪き、土下座の姿勢で薫を下から見上げた。薫は初めこそ丁寧に応対していたが、途中から面倒くさくなったのか雑になり始めている。そして薫はいよいよ面倒だと感じたのか、

「そんなにされると私が悪いみたいで嫌です!本当にもう結構なので!また会えたらよろしくお願いしますね!」

そう言い放って宿屋に入り、ぴしゃりと扉を固く閉めた。その場には、置いていかれて呆ける凛音と周囲からの冷たい視線だけが残る。

「あ……行ってしまわれた……」

ぽつり、と呟く凛音。少し顎を引き、淋しげに目を伏せ、膝を立てて立ち上がった。

「……まあ、構いません。こんなのいつもの事でしょう。日が暮れてきましたが、山に入って鍛錬に励みましょうか」

ふう、と息を吐き、キリッとしたいつもの面持ちに戻った凛音は、緑で覆われた山の中へ消えていった。

やる事が多い ノルン→←第二戦:打開策 剣城



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フウ(プロフ) - 続編完成しました!【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami13355/】続編第一話に不満があればお願いします…! (2023年4月25日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました。ついでに続編作ります! (2023年4月25日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - OKです!更新します! (2023年4月25日 21時) (レス) @page48 id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新しました!(フウさん、憂梦の扱いは容赦なく刃を振るなり手を差し伸べるなり何か別の展開にするなりお好きにどうぞ) (2023年4月25日 19時) (レス) @page48 id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新します! (2023年4月25日 19時) (レス) id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2023年4月4日 10時

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