第一戦:もがいてもがいて 真央 ページ38
「時間だ、第一戦が始まるよ!」
「うああああああ!」
エインセルの声で、私は蹲りながら叫んだ。
「さっすがにこれは不運としか言いようがないね…ほんとに意味わかんなかったし」
「絶対負けるじゃねぇかよぉぉぉぉ!くそがぁぁぁぁ!」
「まあでも、完全に諦めるにはまだ早いんじゃないか?」
スケバン―麗羅が肩をぽんぽんと叩いて諭してくる。その声は暖かいがやめてくれ、プレッシャーが凄い()
「まぁ何とかなるさ!とっとと行ってこい!」
「何にもならねぇよぉぉぉ!」
「ゼロあんた流石に空気読みなさいよ!?」
「ねぇ和華、ほんとこの人達といると賑やかだねー!」
「それは同意だけど陽キャのあんたも賑やかな人達の一員だからね」
相も変わらず騒がしい一軒家組。
そんな変わらないやり取りの中、私の心臓だけは今までにないほど鼓動が早くなっていた。ギリギリ石が足りない状態で推しのガチャを引いているときだって、こんなに緊張はしなかっただろう。
「…ま、だからって捨てるわけじゃないけどね。いくら相手がチートだからって、すぐ諦めるなんて鬼灯真央の名が廃る!」
自らを奮い立たせるようにして立ち上がる。
「対戦よろしくお願いします」
「よろしく。そう簡単には諦めねぇからな」
会場全体が、緊張した空気で覆われる。
「―では第一戦、鬼灯真央対白金ハル、スタートだッ!」
隠岐奈の声で、決戦の火蓋は切られた。
スカートのポケットから0.2秒で銃を取り出し、相手に向けて発砲する。…しかし、
…どうなってるんだ?こいつの動体視力。
「ッ…あっぶねぇな!」
体を後ろに仰け反らせて放たれた衝撃波を避けつつ、素早く相手の間合いに入り込む。相手が振り下ろしてきたバットを素早く避け、空中で一回転して相手の顎に蹴りを放った…のだが。
(何でこいつ避けられるんだよ…どんな動体視力してやがる…!)
正直、相手から感じる全てを凌駕するような力はハル本人から出ている訳ではない。それを考慮して考えると、ハル自体の戦闘力は中の上レベルといったところだろう。
しかし、高すぎる動体視力がその戦闘力をカバーしている。癪だが、おそらくこいつの目には私が0.2秒で銃を取り出す動作もばっちり視認できていたのだろう。
「あぁもう面倒くせぇ…!」
このレベルの攻撃をずっと続けるのは体力的に持たないと思い、悪態を付きつつバックステップで体制を整える。
そして、相手が攻撃を繰り出すのをただ待った。
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フウ(プロフ) - 続編完成しました!【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kazami13355/】続編第一話に不満があればお願いします…! (2023年4月25日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました。ついでに続編作ります! (2023年4月25日 22時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - OKです!更新します! (2023年4月25日 21時) (レス) @page48 id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新しました!(フウさん、憂梦の扱いは容赦なく刃を振るなり手を差し伸べるなり何か別の展開にするなりお好きにどうぞ) (2023年4月25日 19時) (レス) @page48 id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新します! (2023年4月25日 19時) (レス) id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年4月4日 10時