深紅の君に…3

EP116 ページ25

？「おい」

貴「うわっ！」

？「うわじゃねぇよ

なんでさっさと帰らねぇんだ」

貴「えっと…実は道を覚えて来なくて…」

？「あ？来た道覚えてねぇのかよ

どんだけ馬鹿だお前笑」

鼻で軽く笑われた

悔しいけどぐうの音も出ない

貴「あの…どう行けば帰れます…か？」

？「知らねぇよバーカ笑！

人に頼ってばっかりいんな

ご愁傷様。じゃあな」

鼻で笑い彼は背を向けて歩き出した

……

正論だと思った

特に…【人に頼ってばかり】と言われた事だ

図星だった

人に甘えて頼って…ズルイ…

もう少し自分で戦えって話だ

…強くなりたい

精神的に…カレに立ち向かえるように…

歯を食い縛り流れた涙を拭った

男A「あれ？どうしたの？」

声をかけ振り向くと

男B「おい。めちゃくちゃ可愛い子ちゃんじゃん♪」

ニヤニヤ顔の男2人が立っていた

男A「声かけてラッキー♪

ねぇねぇ遊び行こうよ？奢るよ♪」

男B「つーか泣いてね？

寂しい系？慰めてやるから一緒に来いよ♪」

貴「急いでるのですいません」

鼻声で歩き始めようとしたら

男A「待て待て

そんな事言わないで来いよ

楽しい事シてやるからさ♪」

ニヤニヤ顔にゾクっとした

いつものナンパとは違い嫌な雰囲気が漂ってきた

本能が逃げろ！と叫んでる

貴「やめて下さい！」

掴まれた腕を振り解こうともがく

戦わなきゃ1人で！自分自身で！

男B「車持って来いよ

まっ！ドライブでもしようぜ笑」

なんとか逃げようと暴れてると

？「あ！こんな所に居たのか！

探したぞ！」

肩を掴まれ引き寄せられたのはさっきの黒髪の人だった

？「全く。少し怒ったくらいで走り出すなよ

焦ったぜ全く」

貴「あの…」

？「黙れ。合わせろボソ」

男A「何だテメェ」

？「僕この子の彼氏です

さっき他愛もない喧嘩してはぐれちゃって

【マコちゃん♡】なんて呼び方する君が悪いんだよ

けど見つけられたから良かったよ

父に連絡して捜索して貰う寸前だったよ」

男B「捜索？」

？「僕の父は警視庁総監でいろいろと伝手があるんですよニコ」

男A「警視庁総監！？」

？「はい。あのう彼女と何かありましたか？

僕が1本掛ければ優秀な人達が来てくれますから呼びましょうか？」

男B「オイ行くぞ！

痴話喧嘩も大概にしろよ坊主」

男2人はそそくさと逃げていった

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