深紅の君に…3

EP94 ページ2

…がゴールではなく地面へ落ちた

貴「…私がやったらこんなもん…か」

ボールを拾いに行くと

？「下手くそだけど前よりはいいじゃねぇか」

え…？

ボールは持ち上がり声の主がボールを回す

貴「…青…峰君」

青「あ？またその呼び方かよ

やめろって言ってんだろ

オレも【黒子A】って呼ぶぞ」

貴「…そうだよ私は黒子A

それよりどうしてこんな所に？

それもその格好…部活帰り？」

青「部活なんて出てねぇよ

あー…さつきともめちまって…

ボール触りにここ来ただけだ

そんでオマエが投げたボールはオレの」

貴「またさつきとケンカしたの？

幼馴染なんだから少しは仲良くしなさいよ

…ボール借りてゴメン

みんなの見てるから私も出来るかなーって…

ホント軽い気持ちで…」

言い訳してたら涙が込み上げてきた

青峰君の前で泣いちゃダメだ…

優しい彼は慰めるに違いない

青「…まぁそういう時もあんだろ

つーかアレじゃシュートは入んねぇだろ笑」

貴「え？」

青「Aはボールを触り過ぎなんだよ

もっと指で支えろ

そんで手首をもっとこうすんだよ」

青峰君は私の後ろに立ちアドバイスをくれた

青「これで打ってみろ」

貴「うん」

言われたとおりボールを放つと…

　シュっ

！！

綺麗に…弧を描いてボールはゴールへ入った

貴「は、入った！大君！シュート入ったよ！

それもみど君みたいに綺麗な弧を描けた！

わー！初めてだ！」

青「…プッ。そんな喜ぶ事かよ笑

単純だなAは」

頭をワシャワシャと撫でられ

青「やっぱその呼び方がいいよな

緑間の呼び方も戻ってるぜ」

貴「！！…興奮してつい…」

　ポツポツ

青「ゲッ…降ってきやがった」

顔に当たる雨粒が興奮を冷めた

あー…このやり取りも監視されてるのだろう

私が真っ直ぐ帰ってない

青峰君とストバスコートに居ます

とか報告されてるんだろうな…

何をしてても視られて…る

……

青「オイッ！A！」

貴「！！な、何？」

青「何じゃねぇよ濡れてるぞ！

さっさと荷物持ってこっち来い！

雨宿りすんぞ」

青峰君に引っ張られ公園内にある東屋に駆け込んだ

青「ったく呼んでんのに全然返事しねぇから

濡れたじゃねぇか

ホラこれで拭け」

青峰君はバックからタオルを出して投げつけた

貴「別にこれくらい…」

青「良くねぇだろ//！それで帰らせねぇからな//！」

顔を赤く染めた青峰君は横を向いた

自分では気付かなかったが

随分濡れたらしい

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