8話 ページ9
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誰の気配もない夜のビルは背筋がひんやりするが、頭から振り払って一直線に駆け出した。
暗闇なので、頭に電気を付けた。
宝石の隠し場所まで来ると、青い宝石が小さな電気で温かみを帯びた色となった。
少し震える手で宝石に手を伸ばした。
が、その手を1度引っ込める。
ここまで来て何言ってんだろ私。
いつも盗るのを躊躇ってしまう。この前なんかそのせいでタイムロスして警察に見つかった。逃げ切ったけど。
だけどまあ、今日も何とかなった。誰にも見つからず、盗めた。
ニヤリと笑って元来た道を戻る。
少し息を切らし、裏口を出る。
月はまた雲に隠れてしまった。真っ暗で何も見えない。それどころか雨が降っている。
あ〜もう、ついてないわね。
心の中で愚痴を零して裏口のある路地裏を出ようとすると
「あーあ、雨ですぜぃ、土方さん。ついてやせんねぇ。」
「そうだな…って、おい総悟何してんだてめぇ。」
暗がりでも何とか分かった。向こうから土方と茶髪の男がやってきている。茶髪は、バズーカの用意をしていた。
「何って、暗くて周りが見えねぇから明るくしようとしてるんでぃ。」
と言って土方にバズーカを向けた。
「死ねぇ土方コノヤロー！！！」
「バカ、やめr
ドガーンッッ……
真っ黒じゃん。土方真っ黒じゃん。
ご、ご愁傷さまで…
そう思いながら静かにその場を立ち去る
なんてことは出来なくて…
「…？…誰だ！？」
たまたま路地裏の入り口まで吹っ飛ばされた土方と目が合った。
まずい、まずい、どうしよ！！！
気づかれた！？いや、待って。
口布してるし、初めて会ったやつの顔なんて覚えてないよね！…ないよね！？
てな訳で…
逃げます！εε＝(((((ﾉ･ω･)ﾉ
「待てやコラ！」
私は30分間の鬼ごっこの末見事逃げ切った。これでまた変わらない毎日が来る。
ほっと胸を撫で下ろしたが、唯一変わったことといえば、
雨に濡れて熱を出したこと。
「( ＞д＜)､;'.･ ｹﾞﾎｺﾞﾎ」
「あ〜しんど…って、前もこんな終わり方したな…」
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作者名：ぐら x他1人 | 作成日時：2020年1月25日 9時
