25話 ページ31
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「つまりトシは吉野の件からおりると?」
「ま、そういう事だな」
「だがなぁ。これは疑いを確信にするための証拠集めの捜査だぞ?」
近藤さんは何とか俺をなだめようとしているらしい。
分かっているつもりではいた。
と言っても、俺は捕まえたくない。
俺にとって何が正しいかよく分からなくなった。
警察の俺として、捕えなければいけない。
1人の人間として、性格を知ってしまった奴とそのままで居たい。
「…分かってんだよ。すまねぇ、少し考えて来る」
そう言って背をむけた。
「そうか。トシの気持ちも分からんではないがなぁ。」
あんたモテねぇだろ。女居ないから分かんねぇだろ。
腹が立って言いそうになった言葉を必死にこらえた。
近藤さんの部屋を出る。
吉野の所へ行こうか。
いやでも総悟が見廻りで通るだろうし…
───醜女
「だァァァ!ダメだあの野郎に見廻りさせても吉野に変な事言うだけだった!!!」
やはり俺は吉野に会いにいく。
沖田side
やっぱ、気に食わねぇんだよな
俺はあいつの事が気に食わねぇ。
姉上の存在を消すかのように、土方の隣にいる。
見ちまった。
ニコニコしながら土方と話す所を。姉上の姿と重なって気持ち悪ィ。姉上が生きていれば、土方の隣は姉上だった。
いつの間にか、吉野が働く茶屋まで来ていた。
少し立ち止まって見ていると、
『お客さん、食べてくかい?』
「チッ」
『あ、君は』
吉野に会っちまった。
うぜぇ…
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作者名:ぐら x他1人 | 作成日時:2020年1月25日 9時