適当。 ページ4
「どうすればいいと思う」
目の前の二人は固まって、暫く沈黙が続いた。教室の賑やかさが幸いこの空気を軽くしてくれる。
「なんでそんなの俺らに訊くんだよ」
「だって頼れる女子いないし」
「悲しいこと言うなよなー」
あははと口を開けて笑う米屋は慰めのつもりなのか私の肩に手を置いて軽く叩いた。
週末と決まった太刀川さんとのデートで私はどういう風にしていけばいいのか。それを話題に米屋と出水に持ち掛けてみた。
「柚宇さんとかはどーなんだよ」
机の上で頬杖してる出水が思い出したかのように言った。
「あー柚宇さんね」
「それだったらウチの蓮さんでもいーじゃん」
「太刀川さんと幼馴染みなんだしさ」と身を乗り出して言ってくる米屋。
三輪隊オペレータの蓮さんなら力になってくれるかもしれない。
太刀川さんと仲良く話してる姿はたまに見るけど、私自身接したことは数少ない。
「蓮さん時間あるのかな」
「あー学校の方も忙しそうだしなー」
頭のうしろで手を組む米屋は意味もなく低い教室の天井を見上げる。
「あ。なんなら俺が付き合ってあげよーか？」
上げてた視線を私に向けて、口角を上げて米屋はそう言った。
「なんか疚しいことでも考えてんじゃないの」
「なんでそうなるんだよ」
口の片端をひきつらせてる米屋を見て出水が口を開いた。
「いいんじゃねぇの。俺今日任務だし、適当に太刀川さんの相手しとくからさ」
「行ってこいよ」と付け加えた出水は小さくあくびをして窓の外を見る。
「じゃ放課後行こうぜ」
「なんか適当すぎない？」
「男の意見は大事だろ？」
「なんか飲みもん買ってくるわ」と席を立って教室を出ていく出水。
「まぁ俺に任せとけって」
そう言った米屋の後ろ髪が入り込んできた風で揺れた。
外の蝉の鳴き声で、不安とダルさがより一層掻き回されてやる気を失わせていった。
◇
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柳スウ - 太刀川さんの小さな気遣いカッコいい。 (2016年7月13日 16時) (
レス) id: 4dc969e182 (このIDを非表示/違反報告)
日菜(プロフ) - 前まで出水くんが一番好きだったのにこれを読んでから太刀川さんが好きになった……凄いいい話…･゜･(｡´ﾉω･`)。ｳｳｩｩ (2016年5月3日 20時) (レス) id: 65293e9234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：§KAYA§ | 作成日時：2016年5月3日 19時
