男女差。 ページ2
「ねえ米屋、男の人ってなにしたら喜ぶの？」
「は？」と加えてたストローを離し、それから納得したように口を開かせる。
「あー太刀川さんね。俺付き合ったことねーからわかんねぇや」
「ふーん。じゃ出水は」
米屋の隣でエビフライを箸でつかんで口に運ぼうとしてた出水はこっちに視線を向けた。
「俺もわかんねぇし」
「急になんだよ」と、空になったコンビニ弁当を持ってる私を見て訊ねる出水。
「なんでもない」
いつものように私の席を借りてる米屋はまだ居座る気のようで離れる様子はない。
別にそれは構わないので、私は前の席の椅子を引っ張って座る。
「そーいやお前、他の女子と一緒に弁当食ってたな今日」
「あー……なんとなく」
「でもやっぱ息苦しいっていうか……めんどくさいというか」そう付け加えため息をつく。
なんとなく、たまには食べてみたいなと思って今日は誘いを受けてみた。
けど、やっぱり慣れない環境は不自由だ。
でもまぁ、ほんとにたまにはこういうのも良いのかもって少しは思った。
「おーおー、頑張ったじゃん」
その大きな手を頭に乗せてくしゃっと撫でる米屋に私と出水は目を開かせて驚く。
「え、こういうのしたら喜ぶんじゃねぇの、女子って」
そんな私たちを見て疑問を抱く米屋は首を傾げながらそう言った。
「女子ならね。私は今、男だったらどう喜ぶかを聞いてんの」
「えー。笑ってりゃいいんじゃねぇの？」
「口の端上げてこうやってさ」そう言いながら私の頬を加減無く横に引っ張る米屋。
「なにやってんだよお前」
「ほら、笑顔第一って言うしさ」
パッと手を離したそいつは隣の呆れた様子の出水に笑いかけてそう言った。
窓から入り込んでくる風で開けてたカーテンがなびく。そのお陰で太陽の光が教室に直射する。
「少しは参考になったかも」
「だろ」
「どこがだよ」
少し痛みが残ってる頬を擦りながらそう言う。
同時に昼休み終了のチャイムが鳴った。
「そーいやお前そこどうしたんだよ」
自身の席に戻る米屋が首筋に貼られてる絆創膏を見てそう訊いてきた。
はっと気づいて、それからなにもない風を装った。
「引っ掻いただけ」
「ふーん」とそれだけ返した米屋は席に戻っていった。
◇
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柳スウ - 太刀川さんの小さな気遣いカッコいい。 (2016年7月13日 16時) (
レス) id: 4dc969e182 (このIDを非表示/違反報告)
日菜(プロフ) - 前まで出水くんが一番好きだったのにこれを読んでから太刀川さんが好きになった……凄いいい話…･゜･(｡´ﾉω･`)。ｳｳｩｩ (2016年5月3日 20時) (レス) id: 65293e9234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：§KAYA§ | 作成日時：2016年5月3日 19時
