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『(…ふう、あの日にゾム殿が来て以来、我々国軍の幹部殿は誰一人来ていない……
俺からしてみれば気楽だから構わないが……)』
俺は先程来た隣人の話を思い出した。
「万事屋さん、あんた知ってる?あの我々国がまた戦争してんだってよ」
「今回はかなり長くて、どっちも食糧難になってるとか…」
「それに、我々国の相手は、あのイーリス国だろ?」
「イーリス国?あぁ、未だに王族が政治を仕切っとるっつー遅れた国か」
「軍事力は我々国に負けずとも劣らずらしいぜ」
「そりゃ大変だなぁ」
イーリス国の政治は確かに遅れてはいる。しかし、軍事力が高いのは確かだ。だからこそ、俺も少し心配してはいる。
『(……戦争が始まり早1ヶ月。我々国は最長でも2週間で戦争を終わらせてきた。これは、いくらなんでもかかりすぎだ。やはり、我々国と対等の軍事力を持っているのはイーリス国だけなのか…?)』
チリン)
そんなことを考えていると、店のベルが鳴った。
『いらっしゃい………!?グルッペン殿に、ゾム殿?!』
そこに立っていたのは、血だらけのゾム殿と、それを支えていたグルッペン殿だった。
グル「すまないネーロ。ゾムを、ここに置いて行っても構わないか?」
『…それは、件の戦争で負った傷ですか?』
グル「グッ…)あぁ……」
唇を噛み締め、苦しそうな顔でグルッペン殿はそう言った。
『(あのゾム殿がこんなにやられるとは…これはかなり苦しいハズだ)
わかりました。ゾム殿は、私が責任を持って保護します。それと、他にも負傷者が出たら此方へ。
腕利きの医師が知り合いにおりますので、治療します』
グル「…ありがとう……恩に着る……!」
そして、グルッペン殿は静かに去っていった。
『(さて…)ゾム殿、ゾム殿、聞こえますか?』
ゾム「…ぅ…ネー……ロ?」
『(よし)はい、ネーロです。私が指を何本立ててるかわかりますか?』
そう言って俺は、2本指を立てた。
ゾム「…わ……わか……らん…」
『(まずいな…)わかりました。ではゾム殿。静かに目を閉じて、ゆっくり呼吸をして下さい』
俺は右手でゾム殿の目元を覆い光を閉ざした。しばらくすると、彼の寝息が聞こえてきた。
『…よし……急ぐか』
俺は奥の部屋へ行き、フードを下ろした。
『【来い。応えろ】』
そう言うと、近くにいた鳩が、俺の目の前まで飛んできて目を合わせた。
『急患だ。今すぐここへ来るよう___に伝えろ』
すると、鳩は飛び立っていく。これで俺ができる事は終わった。
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LIFE(プロフ) - 遥さん» ………あー(やっと気づいた)成程です。ご指摘ありがとうございます! (2019年7月23日 1時) (レス) id: ac1248da02 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - LIFEさん» 二次創作であるため、ご本人様の目につかないようにするためです。 (2019年7月23日 1時) (レス) id: 470ec9ab18 (このIDを非表示/違反報告)
LIFE(プロフ) - 遥さん» 検索避け……ですか?えと……Blと間違われないようにする為にですか? (2019年7月23日 1時) (レス) id: ac1248da02 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 検索避けした方がいいですよ (2019年7月23日 0時) (レス) id: 470ec9ab18 (このIDを非表示/違反報告)
LIFE(プロフ) - 弱々しい勇者さん» わわわ……ありがとうございます!「こうしたい!」というのはあるのですが、中々どうして自分の脳みそが追いつかなくてですね--; 頑張って……2日に1回は更新したいですな← (2019年7月21日 16時) (レス) id: ac1248da02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LIFE | 作成日時:2019年5月29日 22時