友少。 ページ27
出水side
ソファの背もたれ越しにそいつのノートを覗き込む。書かれていくそいつの字は綺麗だけど少し丸文字だ。
もう一冊の方は角ばったバランスの良い字で綺麗。三輪の字だ。
「言ってくれたら俺の貸してやったのに」
授業を受けられなかった分のノートは大体三輪から借りてる如月。
「えー出水バカじゃん」
「は？お前とあんま大差ないだろ」
「そうだけどさ、やっぱ借りるんだったら三輪に限る」
1ページ終わりパラッと次のページを捲る。ペンを置いて、疲れたのか手首を回すそいつ。
「はいはい、そーですか」
三輪のノートも捲り、ペンを持ってまた再開する。
「というより私の中ではさ、同じ学校で、同学年の、知ってる奴の中で頭良いっていったら三輪だからさ」
「やめろやめろ、友達いません発言すんの」
呆れたように笑って言えば「事実だし」と口を尖らせてそいつは返した。
事実って言ってもお前作る気ないだろ。と、頭の中で思ったそれは言わないようにした。
「そーいえば出水」
思い出したかのように、ペン頭を顎につけてこちらを振り返る如月。
「告白されたんだって？」
「なんでお前が知ってんだよ」
「米屋から聞いたー」
にんまり笑って、そしてまたノートに向き直るそいつ。
あの野郎、余計なこと言いやがって。大きく舌打ちを打って、今日の出来事を思い出す。
「オーケーしたの？」
「しねぇよ、そういうの興味ねぇし」
そもそもあんま話したことのない女子だし。突然「好き」とか言われてもこっちが困る。
「ほんじゃ、俺は帰るとするわ」
「え、いればいいじゃん」
スクバを持つ手を肩にかける。トンと背中にスクバがあたった。
「邪魔者は退散しまーす」
背を向け軽く手を振れば如月の大きな声が。
「ちょ、どういう意味っ！」
静止するそいつの言葉を作戦室の扉が遮る。
そのまま真っ直ぐ、本部の廊下を歩いていたら私服姿の太刀川さんと会った。
「お、出水。帰んのか？」
「久々の非番だしゆっくりしようかなー、と」
「そうだな、気ぃつけて帰れよ」
「はい、お疲れ様です」
話しを済ませ、お互いすれ違って本部の廊下を突っ切る。
するとブーブー、とスマホがポケットの中で震えた。見ると槍バカから。
[いっちょバトろうぜー]
少し間を置いて、そして返信する。
この際だ、頭の悪さと口の軽さを叩き治してやる。
[上等]
それだけ送って、そしてランク戦ブースへと向かった。
◇
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零(プロフ) - 太刀川さん素直で大好きすぎる (2016年4月10日 1時) (
レス) id: 4463289b78 (このIDを非表示/違反報告)
いずみんLOVE - 出水が太刀川さんより男前だ・・・。 (2016年4月2日 15時) (レス) id: 61123b8b09 (このIDを非表示/違反報告)
soyon(プロフ) - 新作面白いです。風間さんの話とはまた違う感じが良いですね!頑張ってください！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 07f2e5561f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：§KAYA§ | 作成日時：2016年3月21日 1時
