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目を開けば暗い部屋。アルラーナは隣で目を見開く。その瞳は、透き通っていた。まるで、何か決意したかのように。
「ソフィア。俺に真実を明かしてくれた事には感謝する。だが、そそのかすのは我慢ならない。それだけは、君も、してはならない。」
「そう……残念だわ。」
ランサーが立ちはだかる。だけどその顔は苦痛に満ちていた。こんな戦いは嫌だと訴えかけられているかのようだ。
「ランサー。やるのよ…。」
「……出来ん。儂は、自分から赴くのは良いが、他人から言われてやるのは…それは違うと」
「なら、令呪を使っても良いのね…。分かったわ。令呪をもって命ず。最大限の力を持って、アーチャーとセイバーを叩きのめしなさい」
二画目が使われる。ランサーの容姿が変わる。三つ編みにしていた髪は無造作に一つに纏められ、上裸には赤いジャケット。顔から青筋が浮かんでいる。もはや獣と化してしまったランサーは、アーチャーとセイバー目掛けて突進した。
ランサーがセイバーに向けて槍を振りかざす。すかさずセイバーが避けるが、槍が鞭のようにしなって下から槍がセイバーを襲う。
アーチャーが矢を放つ。だがここは戦うには不向きの場所だ。上手く当たらない。
『マスター、外に出る。采配を頼む。』
『分かった。』
次の瞬間窓を突き破ってアーチャーが外へ出た。ランサーがそれを追う。セイバーも追った。
アーチャーの放つ赤い矢。ランサー目掛けて降りかかる。
「余所見はダメよ…アーチャーのマスター……」
アサシンのように身体を駆使して短剣を首に持ってくるソフィア。すんでのところで避ける。こちらは采配どころでは無さそうだ。
「ここは、二人がかりで、ね。」
「分かってる。」
銃を取り出す。アルラーナは何やら胸に手を当てて呟いている。
躊躇うことなく銃弾を発砲する。彼女は身のこなし軽く、弾をしなやかに避けて近付いてくる。
「Perish!Perish!Perish!It is purified to become a dust!」
キラキラと光る輝石。それを空に投げ、詠唱を唱える。ソフィアを覆うように結界が彼女を閉じ込める。
「そんなちっぽけなモノが効くと思ってるの…?」
短剣を下に向けて、地面へと突き刺す。黒い稲光が発生し、結界はことごとくバラバラに砕け散った。
次の瞬間、稲光によって四方に突き飛ばされ、壁に激突する。
その時、外からも、ランサーに圧されたセイバーが、ランサーと共に中へと激突してきた。
アーチャーは少年の側に戻った。
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作者名:白咲 アオン | 作成日時:2017年12月11日 20時