講座その十！ ページ11
「…理由、を…聞いてもいいですか？」
何時もの、読めない無表情で。
黒子先生が私に問う。
「…聞いたら、幻滅するかもしれませんよ？」
「しないですよ。野崎さんは、僕の生徒ですから」
“僕の生徒”。
その言葉に、心臓を抉られたような気分になった。
生徒。確かにそう。
私は、黒子先生の生徒。
補習で迷惑かけちゃってるけど、放っておけないような…そんな、ちょっと『特別』な存在になれたと思っていた。
…馬鹿みたいだ。
その『特別』は、あくまで生徒としてだって。
分かっていたはずなのに。
何を浮かれていたんだろう。
「…私…、黒子先生のことが、好きです…」
だから…だから、先生と出掛けたくて…。
しどろもどろに続けた言葉は、情けない程弱々しい。
…けど、もういいの。
黒子先生がフってくれれば、それでお終いーー
「…気の迷い、ですよ。たまたま、補習を担当したのが僕だったから…親身になってくれた人のことを、恋だと勘違いしたんでしょう」
思春期にはよくある事ですから。
…黒子先生のその言葉に。
…何かが、音を立てて崩れた。
「っ…黒子先生の馬鹿！！ほんと、馬鹿じゃないですか！？私はっ…私は、本気なんです！そんな気の迷いとかっ…そんな、ことじゃ…」
“そんなことじゃないんです”
言いたいのに。
伝えたいのに。
声にならない。
私が求めていたのは、こんな結末じゃない。
フられるのは仕方ないと思う。
…でも…『勘違い』なんかで片付けてほしくなかった。
「…先生は、酷いですね」
フられるより、ずっとずっと苦しい手段を選んだんだから。
「…だって、僕はもう二十三ですよ…？野崎さんは、まだ十三じゃないですか。同い年にだって、いい人がたくさん居るでしょうに…」
「人を好きになるのに、年齢なんて関係ありますか？」
「…現実を、見て下さい。十歳差の年齢。…それだけならまだいい。でも、僕は教師です。そして、野崎さんは生徒です。…僕が野崎さんに手を出したりしたら…」
“それは、犯罪になるんですよ”
…お願い。
これ以上、喋らないで。
私に、見たくもない現実を見せないでーー。
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春華桜(プロフ) - 雅さん» 明けましておめでとうございます。新年早々コメントありがとうございます！受験生故ほとんど当サイトに来れず、更新停止状態ではありますが、リアルの方が落ち着いたら更新再開したいと思っております。気長にお待ち下さいませ！ (2017年1月1日 21時) (
レス) id: 1692c328a3 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - あけおめです！すごいおもしろいです！更新がんばってください！ (2017年1月1日 20時) (レス) id: f88a3a2043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春華桜 x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2015年3月25日 23時
