【暗殺教室】貴方が私の生きる意味【赤羽業】 (ページ10)

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カルマの時間5時間目ページ10

翌日、昨日とは打って変わって朝1番に登校した私達は教卓に
買ったばかりのタコにナイフを刺して置き去りにした。

クラスメイト達はそれを見るたび気まずそうに眼をそらすが、関係ない。
私達は私達のやりたいことをやるだけ。

それから10分後、暗殺対象が教室に入ってきた。
「おはようございます。」

教室の雰囲気がおかしいことに気付いた暗殺対象は、私達が置いたタコを見つけた。
「どうしましたか？みなさ…」

あまりの光景に、暗殺対象も言葉を失ったようだ。
「あっごっめーん、殺せんせーと間違えて殺しちゃった。捨てとくから持ってきてよ。」
「ふむ…」

ため息をついた暗殺対象は素直にタコを持ってこちらに向かってきた。
そして突然、触手がドリル状に変化する。

「見せてあげましょう、カルマくん。
　このドリル触手の威力と、自衛隊から奪っておいたミサイルの火力を!!」
私は暗殺対象がそう言った瞬間、カルマを後ろに下がらせてかばった。

『…カルマに何する気。もし、害するなら許さない。』
私が睨みつけるも、暗殺対象は朗らかに笑った。

「害するだなんてとんでもない!!手入れするだけですよ。錆びてしまった暗殺者の刃を。」
その言葉とともに、カルマの口にはなぜかたこ焼きが。…しかもおいしそうだ。

「その顔色では、朝食を食べていないでしょう。マッハでたこ焼きを作りました。
　これを食べれば、健康優良児に近づきますねえ。はい、あーん。」
カルマは口を開けずに、暗殺対象を睨みつける。

「今日1日、本気で殺しに来るがいい。そのたびに君を先生は手入れする。
　放課後までに、君の心と体をピカピカに磨いてあげよう。」
そういいながら暗殺対象は、ニヤニヤと笑った。

そこからのカルマは、ひどいものだった。
暗殺をしようとすればネイルをされたり、可愛いエプロンを着せられたり。

そしてあっという間に放課後まで時間が過ぎ、私とカルマは校舎の裏の崖で佇んでいた。
カルマは爪を噛んで悔しそうに唸っている。

「カルマくん。」
突然に、後ろに近づく気配。誰かと思って振り返れば、潮田渚だった。

「あせらないで、皆と一緒にやって行こうよ。殺せんせーにマークされちゃったら、
　どんな手を使っても殺せない。普通の先生とは、違うんだから。」
「先生、ね…」

カルマがぽつりとつぶやく。
その声は、どこか起こっているような、悲しんでいるような。

沢山の感情が交じった声だった。