【暗殺教室】貴方が私の生きる意味【赤羽業】 (ページ25)

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修学旅行の時間3時間目ページ25

私がそう言えば、みんなは驚いたようだった。

「Aは本当に昔から父さんたちから物を受け取ってないよね。
　悲しんでたよ？Aちゃんが遠慮してる―、って。」

私はカルマの言葉に目を伏せた。
それは少し…申し訳ない。

「すごいですねえ、Aさんは株をやっているのですか。」
ヌルフフフ…先生感心します、と呟く殺せんせー。

『はい。と言っても、四六時中見ないといけないような上がり下がりが
　激しい株は買っていません。損をするわけにはいきませんので。』
「Aがそんなことやってるなんて、初めて知ったよ。」
『ごめんなさい。秘密にしていたから。』

少し不満そうな顔をするカルマに謝った私はこちらまで漂うたばこの臭いに顔をしかめた。
皆は気づいていないようだが、少しばかり鼻が良い私にはわかる。

おかしい。ここは禁煙席で喫煙席はかなり遠くにあったはず。
しかも前の車両はD組でたばこを吸う訳がない。後ろの車両は…

私は後ろの車両を気づかれない程度に見て、顔をさらにしかめた。
そこにいたのは、見るからに柄の悪そうな高校生。
不良、という言葉がぴったり似合う人たちだ。多分修学旅行生。

学校で巡る修学旅行のコースと言うのはだいたいわかりきっている。
私は遭遇しないことを願って、戻ってきた女子たちを迎えたのであった。

「なあ、さっきの制服、どこのだ。」
「あー…椚ヶ丘じゃね？」
「マジ？超エリート校じゃん。」

電車の連結部分で学ランを着た男たちがにやりと笑い合う。
その手の中には…神崎由希子、と書かれた日程表。

「あの子達にさ、京都でお勉強を教えてやろうぜ。」
くくく…と笑う影。

暗雲は確実に、近付き始めていた。