【暗殺教室】貴方が私の生きる意味【赤羽業】 (ページ14)

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大人の時間2時間目ページ14

そいつ…イリーナ・イエラビッチが本性を現したのは、意外とすぐだった。

私達が暗殺バトミントンをやっていた時に上手く殺せんせーに接触し、
教室からベトナムへと追いだした後、先ほどまでの表情を一変させたのだ。

正直、このレベルかと私はがっかりした。
ハニートラップ技術は格段に上だが、身のこなしは私の方が断然上。

幼いころから独学でカルマを守るため、色々な物の扱いや体の動かし方を
学んできた私からすれば、彼女は弱い。

ハニートラップをしかけるために筋肉があっても邪魔なのはわかるが、
もう少し周囲を警戒するくらいしてもいいのではないだろうか。
此処は敵地ではないが、安全な場所と言う訳でもないのだから。

それから10分後、授業時間が始まって少したったが彼女は授業を始める気配がない。
彼女は殺せんせーに私達から情報がバレることを危惧していないのだろうか。

「なあ、授業してくれよビッチ姉さ～ん」
「そうだよビッチ姉さ～ん」
彼女に飛ぶヤジ。

ビッチをいやらしいの意味の発音で言いだした生徒に怒り心頭のようだ。

「なー!!ビッチビッチうるさいわね!!まず発音が違う!!
　あんたら日本人は、BとVの区別もつかないのね!!
　正しいVの発音の仕方を教えてあげるわ。まず歯で下唇を軽くかむ!!」

クラスメイトがその指示道理にやる中、私は窓の外を眺めていた。
外は、思わず昼寝したくなるような快晴。
そのまま私はまどろみに従って、夢の世界へと旅立った。

長い、懐かしい夢を見たような気がして私は固まった体を起こした。
時計を見れば午後5時。人の気配を感じて横を見れば、カルマがいた。

「おはよう、A。かなり寝てたね。お腹空いてるんじゃない？」
『そ、そういえば…』
ほほ笑むカルマに指摘され、私は顔を赤くしておなかに手を当てる。

「あ、そうそう。ビッチ姉さんのことだけど、上手く教室内に溶け込めたよ。
　殺せんせーの暗殺は結局失敗に終わった。
　軽く学級崩壊しかけたけど、全てうまく収まるところに収まったよ。」
『そっか。』

私の聞きたいことを察してか、カルマが今日会ったことを離してくれた。
そっか…ビッチ姉さん、ちゃんと先生になれたんだ。

夕闇に少しずつ染まっていく中、私は幸せをかみしめながら
山をカルマとともに降りたのであった。