21.消せない思い ページ21
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ホント、なんなんだよ。
面倒くさいのはやっぱり俺自身だ。
もう関わらなくていいやって思ってたのに、父親から助けたりして。
そんで、部屋に誘って、断られて結構ショック受けてるとか
なんなんだ、俺は。
それでも結局、足が動いている。
「かわにっしー!何してんの?」
共用スペースへ向かう途中で、阿久津に会った。
「ああ、ちょっとね…」
「ねえ。相良さんと付き合ってるわけじゃないよね?」
何で、そんな事聞くんだ。
3人で出かけてたからって…
マネージャーだからだろ。
「川西らしいわ。なんかその反応」
俺がムスッとしていたら、先に阿久津が話し出す。
「なんだよ、俺らしいって」
「マネージャーとかって部員目当てでやるものでしょ。だから気になったの」
まあ確かにアイツはきっと…俺目当てで始めたんだろうな。
最初からそんなのわかってた。
「そういう重い子、川西には合わないよ」
なんとなく、自分でもそう思っていたことを
第三者に言われて、納得した。
「別に俺、相良さんと付き合ってないし。付き合うつもりもないし…」
「だったら私と付き合ってよ」
阿久津の告白は意外だった。
まあ、女バレの中では一番よく喋るけど。
そんな風に思ってたなんて。
「私は川西と同じで、部活一番だし。私たち、合うと思う」
「いやそれ、俺全然気づかなかったわ」
「意外と鈍感なんだね」
気楽に付き合える関係の方が
俺には合ってる。
束縛されるのも、重いのも嫌だし。
けれどなんでだろ。
そう言われた瞬間、思い出したのはAの笑顔と胸の痣と
父親について行こうとした時の、諦めたような悲しい顔だった。
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茜(プロフ) - 無色猫さん» コメントありがとうございます!それは確かにちょっとびっくりしますね。太一くんなかなか難しいです……書きこなせてると言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2018年7月28日 15時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
無色猫(プロフ) - 夢主の苗字が自分と同じでびっくりしてしまいましたw太一くん書くの難しそうですが、書きこなせてるのすごいですね...更新頑張ってください、応援しています!!! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 44bca1b265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜 | 作成日時:2018年7月19日 23時