16.面倒臭いのは ページ16
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部活後。Aは賢二郎と何やら楽しげに喋っていた。
面倒臭い要素、増やさないでくれよ。
あの賢二郎が女の子と楽しそうに喋るとかなんのフラグ?
そういう三角関係とか、俺はいらないんだよ。
帰ろう。
そう思ったけど。なんだか気になる。
簡単に天童さんに触らせてる姿も
いらっとしたし。
「……ったく、何なの」
面倒臭い女は嫌だなんて言っておいて
一番面倒臭いのは今の俺の感情だ。
「太一どーした?帰らないの?」
天童さんに声をかけられて、自分がぼーっとしていたことに気づく。
「ああ、帰ります……賢二郎と…」
「賢二郎もう帰っちゃったよ?」
早っ!?いつの間に……っていうか…
「さっきAちゃんと二人で歩いてっちゃったよ。怪しいよねぇ……あの二人。
女の子に興味無さそうな賢二郎がねぇ……」
「そうですか、おつかれっした」
天童さんが話している途中で、俺は挨拶もそこそこに走り出していた。
「ふぅん。あの面倒臭がりな太一がねぇ……」
同じ言い方で、楽しそうに笑う天童さんの顔は
俺は全く見てもいなかった。
寮の方へ走ると、Aと賢二郎が二人で歩いている姿が見えた。
「賢二郎!」
俺の声に二人は振り向く。
「ああ、ごめん。ちょっと相良に話があって。もう終わったから。夕飯行く?」
顔色一つ変えない賢二郎だったけど
Aはなんだかそわそわしている様子だった。
「あ、ああ……行こうか」
「そんなに急いでどうしたのさ。ヤキモチでも妬いた?」
いつもの冷静な調子で賢二郎が言った。
ヤキモチ?
そんなの俺が妬くわけ………ないじゃん?
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茜(プロフ) - 無色猫さん» コメントありがとうございます!それは確かにちょっとびっくりしますね。太一くんなかなか難しいです……書きこなせてると言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2018年7月28日 15時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
無色猫(プロフ) - 夢主の苗字が自分と同じでびっくりしてしまいましたw太一くん書くの難しそうですが、書きこなせてるのすごいですね...更新頑張ってください、応援しています!!! (2018年7月28日 15時) (レス) id: 44bca1b265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜 | 作成日時:2018年7月19日 23時