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Episode7-4 ロビンさんの強さ ページ30

私が放った『エアー・キャノン』は、見事トライグの足元に命中し、トライグはその巨体を傾かせた。

トライグが自分自身をコントロールできないうちに、ロビンさんがトライグの腹部に飛び乗り、魔法で作りだした剣で突き刺す。

「はああああああああっ!!」

トライグは地を揺るがすほどの低音で喚き散らし、木を巻き添えにしながら倒れた。

「Aさん、『ゴッド・ブレス』を!」

「はい! 『ゴッド・ブレス』っ!」

まだトライグの近くにいるロビンさんに当たらないように、気を使ってみるけど。

トライグは竜巻にその身をゆだね、回転しながら上空へ向かう。
ロビンさんと共に。

「ロビンさんっ!!」

「…………ヤー……テム」

そんな消え入りそうな声が聞こえた瞬間、竜巻が赤に染まった。

一瞬のうちに竜巻は眩しい光を出して爆発を起こし、爆風が顔に打ち付ける。

思わず目をつむり、しゃがみこんで風圧に耐える。



「…………?」

爆風が止み、恐る恐る目を開くと、もうトライグの姿はなかった。
目の前に見えるのは、折れた木々と傷だらけになったロビンさんの仰向けになった姿。

「っ!!」

考えるより先に、足が動き出した。

まさか、そんなことは、ないよね……?

「ロビンさん……」

彼の重い頭の下にゆっくり手を入れる。
ドロっとした液体の感触があった。

ああ……、私は、やってしまった……?

「…………」

彼のまぶたが少しだけ振動したような。
気のせい、かな。

いや、気のせいじゃない……。

「……リカバー」

彼の口から、小さな声が発せられた。

彼は確かに、生きている。

「ロビンさん……!」

彼の体が優しい光に包まれる。

私の手に伝わっていた感覚が、みるみるうちに消えていく。

回復魔法……。
さっきアミちゃんの部屋で読んでいたのは、これだったのかも。

「ありがとう、Aさん。もう大丈夫だから。
……この出来なら、アミーゼ嬢の傷でも大丈夫そうだな」

自分の傷跡を観察しながら、独り言のように呟くロビンさん。

「本当に大丈夫なんですか……?」

「大丈夫だよ。さあ、早くアミーゼ嬢のところに向かおう」

何事もなかったかのように、軽やかに立ち上がり、神岡神社の後ろに向かうロビンさん。

ロビンさん、やっぱり強いなぁ。魔力や戦いの関係での強さだけじゃなく、精神的な強さも持っている。さすが『アムール』のリーダー。

いつか私も、そんな強さを持てるようになりたい。

Episode8 いつも通りが一番です→←Episode7-3 我慢



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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます!地道に、頑張っていきますね! (2016年8月24日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで! (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……? (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年1月25日 1時

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