Episode4-3 解ってる ページ17
アミちゃんは目を見張り、開いた口が塞がらない状態だった。
「Aさん、あの……。ごめんなさい」
「謝らないでいいよ。私の本心だから」
「でも、Aさん、迷ってた。本当はあの人たちと一緒にいたかったけど、私が騒いだから、選択しが限られちゃったんじゃないですか。そうでなければ、迷わなかった」
少し、心臓が飛び跳ねた。迷っていたことを突かれると困る。
アミちゃんの言う通り、『アムール』に入りたいと思うところもある。
けれど、それは幸せじゃないと思ったから、アミちゃんを選んだ。
この『答』は、そのままアミちゃんに伝えていいのだろうか。アミちゃんを傷つけることにならないか？
《大丈夫だよ。この子はあんたを解ってる。自分を傷つけないように考えてくれていることをね》
――でも今、混乱状態なのに、大丈夫かな
アリアドネが微笑した。姿はないけど、雰囲気でなんとなくそんな感じがした。
《大丈夫。私が保証する。たった一日いや、半日で解りあえたあんたたちだもの》
そうだ、まだ半日しかたっていない。にもかかわらず、こんなに濃い時間が過ごせたんだ。
アミちゃんなら、大丈夫。
私は、自分が思ったまま伝えた。
アミちゃんは、笑ってくれた。ほっとした感じだ。
「そうですか。よかった。私、嬉しいです。選んでくれて」
《ほらね》
アリアドネが誇らしそうに言う。
「じゃあ、改めて、これからよろしくお願いしますね。Aさん」
「……うん！」
いい笑顔だった。
「……じゃあそろそろ帰るね。もうだいぶ遅くなったみたいだから。また、明日」
「はい。気を付けて。また、明日」
アミちゃんに見送られ、私は玄関を出た。今回は、ドアを開けてくれた。
思ったよりも、外は暗くなかった。まだ６時かそこらのようで、薄暗くなってきたあたりだ。
秘密基地では時間の流れが速いのだろうか。フォルツイの時と、同じくらいの時間だと思われる。秘密基地に戻ってから1時間は経っていたと思っていたのに……。
どちらにせよ、門限は過ぎているので、急ぎ足で神社を出た。
門限を過ぎて、家についても、母は叱らなかった。
ただぼそっと、「あなたにも事情があるのね」と言っただけだった。
時々、母は何でも見透かしているのかと思う時がある。
母にもアミちゃんや私のように、力があるのだろうか。……いや、そんなことはないだろう。
その後は、何事もなかったかのように普通に過ごした。
そして、眠りについた。
Episode4-4 亜実ちゃん→←Episode4-2 「答」は
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頂志桜(サム)(プロフ) - 怪盗ゆかりんさん» ありがとうございます！地道に、頑張っていきますね！ (2016年8月24日 12時) (
レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ゆかりん - とても良いと思いますよ。オリジナル物では大体ファンタジーじゃない恋愛系が多いのでとても良いと思います。なので頑張ってください。 (2016年8月24日 11時) (レス) id: 9e404a3c93 (このIDを非表示/違反報告)
らむ音(プロフ) - 頂志桜さん» じゃあ、オリジナルで！ (2016年2月11日 14時) (レス) id: 38cad45099 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» オリジナルのほうがいいかなーと。どうでしょうか (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(プロフ) - らむ音さん» 敬語なのはなんとなく……です。普通のほうがいいかな……？ (2016年2月10日 22時) (レス) id: b2ab2df1fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年1月25日 1時
