ＬＡＳＴ【リヴァイ】【進撃】 (ページ49)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:31,865 hit

49話嘘ページ49

『そんなッ、待ってよ急に、いてくれないの？
ねぇ、ナナバ、』

「...いてあげたいけど、
どうもそういう訳にはいかなそうじゃないか

Aもわかっているんだろ、
ハンジが言ってることは」

「でも...」

Aはちらりと俺に目をやるが
不安そうな表情でまた逸らした
さっきからずっとそれだ
まぁ、俺も似たようなもんだが...

「それじゃあ、話が終わった頃にまた来るよ」

そう言うハンジはナナバを連れて出て行こうとする

すれ違いざまに俺の肩をポンと叩いて
小声で言った

「無理強いはしないで、
Aが本当に無理そうだったら、
自分から出て言ってやってくれ」

そう言うので、これもハンジのやり方なのだと理解した
とはいえ、少し可哀想な気もするが

俺も、こんな急でも
ずっと気になっていた理由が聞けるのは本望だ

バタン、と部屋の扉が閉まる、
Aの部屋に二人きりとなってしまった

『あの、リヴァイ、ごめんなさい急に...』

「いや、俺は構わないが...大丈夫なのか？」

『...えぇ、でも、少し窓を開けても？』

俺が返事するより先に窓に向かっていく

昨日までドア越しにしか話していなかった男が
今こんな目の前にいて、
恐怖があるのは汲んであげたい

Aは少し息を乱していて、
落ち着くためにか顔を伏せる
俺も適切な距離を保ちながら、少し、近づいた

「...A、無理はしなくていい」

『大丈夫、...私は平気だよ、心配しないで』

Aはいつだってそう言う、
辛い、悲しい、なんて、
一度だってそう言ったことはない

それが俺から見てどんなに辛そうなときでも
笑ってごまかそうとする、
だけど今は、笑えてもいないじゃないか

いつまでも、強がりだ

「A、もういい
大丈夫だなんて、言わなくても」

『、え...？』

驚いて彼女は顔を上げた

「お前の大丈夫は、大丈夫じゃないって意味だ
平気だって言うのも、その逆だから
心配しないで、も心配してほしいってことだ、

...四年も見てきたんだから、もうわかってる」

『...リヴァイ、』

Aは泣きだした、
本当によく泣くようになったなぁなんて思った

『...私、話すわ、全部、』

Aはぐっと涙を拭って、話し始めた
途中よろめいて、ベッドに腰かけさせた

けれど、その内容は、想像を絶するものだった