ＬＡＳＴ【リヴァイ】【進撃】 (ページ33)

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33話秘密ページ33

リヴァイＳＩＤＥ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

俺はまた帰りの馬車に揺られている

訓練兵の教官を頼まれるのは毎年あって毎年あって、
エルヴィンからも
調査兵団の団員確保につながるかも、
と言われて断るに断れないまま

今回で昨年に続いて二度目だ
その前はハンジだったが、理由は明確
すぐにその役目はクビになった

人に教えるのは得意ではないので
俺は習うより慣れろ派だ

実際これで授業になってるかは知らん

けど、実践がすぐに待っている調査兵に教えるより
気が楽でいい

俺は窓の外をみて、もう少しで兵舎に着くことを確認した

するとぱっとAの顔が浮かんだ

俺は今日ずっとなんだか朝のキスが忘れられなかった

昨日だってその前だって、
何度も交わしていたのに
なんとなくなぜだか今日のは少し特別な気がした

それから立て続けに

「女というコンプレックス」

というAの言葉が思い出された

笑顔で明るくて、誰にでも優しくて
物怖じしない、いわゆるいい子

俺にとっても最初の印象はそれで間違いない

けれどそれはAが
努力して築き上げた姿だったのに気が付いたのは
付き合ってからやっとだ

女であることを自分でこんなに欠点に思っているとは
男である俺には、想像できなかった

あぁ本当の彼女はもっと、、
と形容するにはまだ要素が足りない気がする

四年も付き合ってこれ以上何を知るのか、
と言うかもしれないが、

これだってつい最近知ったことだ

きっと彼女は
他人思いのせいで言えてないことを
まだたくさん抱えているはずだ

もう結婚するんだ
俺には、何でも話してほしい

...なんて、

自分のことは話さないで言う俺は
Aの言う通り本当に卑怯だ

自分の過去や、醜い一面は
彼女に嫌われたくなくて、
軽蔑されたくなくて、言わなかった

言えなかった、だなんて彼女のせいにするつもりはない
全部俺が悪い

俺は窓から微かに差し込む月の光に
左手の指輪をかざして輝かせた

けれど結婚するんだ

ここで言わなくてどうする、
どうとでも思われる覚悟はできてる

俺も何だって話すから

Aのこともなんでも話してほしい

帰ったらまず、その話をしよう

そう決めた