ＬＡＳＴ【リヴァイ】【進撃】 (ページ13)

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13話時期ページ13

リヴァイＳＩＤＥ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

Aと一緒に同じ部屋で
机に向かって作業している間も

ついその横顔から昨夜のことを思い出してしまっていた

『リヴァイ』

何度も見ているのがばれたかと思って
さっと書類に目を向ける

「なんだ」

『昨日の話、思い出して
結婚したいとかそういう』

「あぁそれがどうかしたか？」

『リヴァイは、どうなの？』

「...あ？」

『そんな不思議そうな顔しないでよ
私は答えたんだから、尋ね返してるだけ』

昨日の俺も十分唐突だったとは思うが、
答えようと思うとなんとも難しい

しばらく書類に向き合って手を動かしながら
考える時間を稼ごうとした

でも結局、昨日のAみたいに

自分の明確な意思を
はぐらかすようなことしか言えなかった

「仕事がうまくいってるような男なら、
結婚して女も手に入れたいとか思うんじゃねぇか？」

『リヴァイは仕事上手くいってるんじゃないの？』

「さぁな、そういうのの典型はエルヴィンみたいな奴だ
まぁあいつは実際女にそう興味はなさそうだが」

『、そうね、浮ついた話聞いたことない』

「あぁ今度尋ねてお前にも教えてやるよ」

ちらりとAに目をやるとちょうど目が合った
すると彼女はにこりと笑って言った

『私、今でも幸せだよ』

胸を刺すような痛みを感じて、めまいがする気がした

昨日、Aは一般論を通じて
結婚してもいい、という意思を言ったものだと思った

だけど、

今この言葉は

『これ以上は望まない』

そういう意味だ

今まで何度かAの雰囲気から
夫婦、というのに憧れをもっていることは感じていた

町で夫婦や小さな子供嬉しそうに眺めていたり、
結婚した兵士を泣いて祝福したり、
そして「素敵だな」と口にしたり、

わかっていて、四年も長引かせてしまった俺は
まったくの甲斐性なしだ

ハンジにも言われる
「なんで結婚しないの？」

俺はそれに決まった言葉を返す
「時期が来たらな」

一体俺は何を待っていたんだろう

最近になってそれはただの言い訳だと気づいた

四年の付き合いだ、さすがにわかる
Aは本心では
「結婚したい」と思ってる

けれど彼女がそう言葉で言わないのは、
いや、言えないのは

兵士の自覚があるからだ