婚約者VS父親 ｜【赤・黄】

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｀｀


作戦その１

「３人でご飯食べる」





簡単そうに聞こえるが、

決してそうでもない。





そもそも一緒に食べる約束をするところから難しかったんだから。




何度も電話をしても、答えはいつも「無理。忙しい。」

メッセージでも、同じ返事。





最終的に照史くんに頼んで、やっと今日の夜、
お父さんの友達の濱田さんのお店で一緒に夕飯を食べることになった。





結果、作戦１を実行するまで１ヶ月もかかってしまった。






「ここ右曲がるんやな？」


『そう。右曲がったら、３００メートルほど進んで、左に曲がったらお店が見えるはず。』




車の中、助手席に座っていた私は地図とにらめっこしながらそう返した。



私はほんの少しだけ方向オンチだ。


一回来たことあるところはちゃんとわかるし、迷子になることなんて絶対ない。
だが小さく線がいろいろ書いてあるこの携帯の画面はよくわかりません。

おかげでさっきからこの道３回も通ってる。





「あ！あったあった！！やっっと見つけた〜！」


『え？どこどこ？』


「ほら、あそこにあるやん、あの紫の看板！」


『あった！あれだよね？よかったー』





ちょっと前は「おい、ちゃんと読めるんか地図？」とか、「え？左？ここ左？ほんまに？」ってぐちぐち言い合ってた私たち。

でも店が見つかった途端、二人揃ってワイワイ騒いでた。





時間も早く家出たから十分余裕だし、順調。





問題はここからだ。

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