婚約者VS父親 ｜【赤・黄】

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黄ｓｉｄｅ




『パパ！』



「お、どうしたんA？」



『みてみて！きょうようちえんでね？パパの絵をかいたの！』



「え、すごいやん。めっちゃ似とる。Aすごいなぁ。」









『パパ！今日漢字の小テストで100点取った！』



「ほんまに？頑張ったな。よし、今夜はAの好きなもん食べに行こ。何がええ？」



『本当に？ありがとう！パパ大好き！』







＿＿いつからパパって呼んでくれへんくなったんやろ。






確か、中学１年の入学式の帰り。

新しい制服を着ている我が娘の成長を一気にグッと感じてしもうて、

車の中必死に泣かんように耐えとった。




しかし、



『ねぇ、パパ。私ももうさ、中学生になったんやからさ？これからはパパのことお父さんと呼ぶ。』




その言葉で込み上がっていた気持ちがさーっと消えてった。




「え？何で？」



『だって中１で自分のお父さんのことパパって呼ぶのって恥ずかしいし。』



「いやいやいや。恥ずかしくなんかないやん。普通に大人になっても呼ぶ人もいっぱいおるで？」



『私が嫌なの。お父さんはパパって呼んで欲しいの？』








おん。


当たり前やん。








「…Aの好きに呼んでもええよ。」


『そう？じゃそうする。ありがとう、お父さん。』








でも言えへんかった。

パパ呼びにこだわっとるキモイ父親やと思ってほしくなかったから。








そんなAが、


もう結婚なんて、信じられへん。





鬼になるのはちょっと申し訳ないけど、、、



俺が大事に大事に育ててきた娘や。

そんな簡単にあいつなんかに渡すわけないやんか。

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