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世一さんには"初対面"なんて言ったが、実は私は1度だけ彼をこの目で直接見たことがある。
もっとも、私が一方的に目にしただけなので初対面という言葉に間違いはないのだけれど。
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「ね!一生のお願いA!
明日の試合見に来て〜」
高校1年。
放課後の教室で私に勢いよく頭を下げたのはクラスで1番仲のいい友達だった。
「試合で勝てないのはわかってる!
だからせめて応援だけは負けたくないの!」
サッカー部のマネージャーである彼女がこうも必死になっているのは、部員のためと言うよりその中の1人である彼氏のためだろう。
うちはそこそこの進学校であまり部活動に力を入れているという訳では無かったため、どの部活も特別強いということはない。
それはもちろんサッカー部も例外ではなかった。
毎年決まって市のベスト8に入るか入らないかくらいの戦績であったが、どうやら今年はそれも危うい、というか友人いわくほぼ確定で叶わないらしい。
それも、今年の対戦相手はなんと初戦から全国出場争い常連の一難高校。
配られた紙を見てサッカー部の男子たちが膝から崩れ落ちていたのは記憶に新しい。
「試合では相手にもならないんだよ〜
応援でも負けてたらかわいそーじゃん!」
なかなかに酷い言い草をする彼女に苦笑いで返す。
仮にも彼氏がいるチームなんだよね?
でも確かに点数も応援もないんじゃ選手たちもつらいだろうな。ましてや相手は強豪校だし、応援だって並大抵のものじゃないだろう。
「でも私、サッカーの事とか全く知らないよ?」
「全然いい!!居てくれるだけでいいの!」
「………………何時から?試合」
「来てくれるの!?!?」
ありがと〜!!と大袈裟に喜ぶ彼女を見てつい笑ってしまった。いいなあ、彼氏さん。こんな優しい彼女中々いないぞ。
「よーし!
明日は応援で相手チームドン引きさせてやろー!」
「お〜笑」
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YUY - 久しぶりに見たけどやっぱめちゃすち……🫶 (12月10日 1時) (レス) @page43 id: 2b504e2cbc (このIDを非表示/違反報告)
放浪者の神の目になりたい(プロフ) - 潔くんの小説…!!ありがとうございます…応援してます…!! (9月29日 22時) (レス) id: 8d6a7142fc (このIDを非表示/違反報告)
アアアアア??! - 凄く好きです! (9月8日 21時) (レス) @page25 id: fbc26f140f (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - うわぁ、すっごく好きです、。めっちゃ気持ち悪い顔しながら見てます。めっちゃ好きなんで頑張ってください! (8月22日 22時) (レス) @page42 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
YUY - んんんん気になるなあああ続きがあああすごくいいところで切ってくださる…あいらーびゅー… (5月7日 22時) (レス) @page37 id: 2b504e2cbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬川 | 作成日時:2023年2月5日 11時