その四十 ページ43
「そんな……」
だらん、と脱力した様子で腕を下ろす不細工。実弥さんはそんな不細工の方を気にも留めないで、私の手を引いて厨を出て行こうとした。その時、一瞬だけ不細工とすれ違う時があったものだから、つい言っちゃったわ。
「残念でした♡」って。不細工はそれを耳にした瞬間、目をキッと吊り上げて、拳を振り上げた。
_あら、包丁の次は拳なのね。
「このっっクソ女が!!!」
「やっ……!」
ったく、ほんとに馬鹿な女ね。
これ以上信頼失ってどうするつもり……あっ、もう失うものが無いから何をしても良いのか!
なるほど、ちょっとは考えるようになったじゃない。怖いものが無い状態の時は、誰でもいつも以上の力が出るのよ。でも________、
「てめえが言う台詞じゃねえだろうが。」
「実弥さん……!」
「違う、私はやってないの!全部こいつよ、この女が術か何かを使って私を操ったのよ!」
あらら、もう完璧に詰んだわね。
「Aはなぁ、術の類は使えねぇんだよ。」
「は、はぁ!?そんなの嘘だ、鬼舞辻無惨のお気に入りが術を持ってないだなんて、そんなの有り得ない!」
「私、ほんとに術とか使えない……」
「Aを傷付け、なおかつAに罪を押し付けるたぁ良い度胸じゃねぇか、てめぇみたいな人間はな、鬼殺隊にはいらねえんだよ」
「ッ……良いわ!このこと、御館様や他の柱にも伝えてやるんだから!!皆私の味方についてくれるわ、だって此奴は鬼なんだから!皆お前のことなんて……(「とっとと失せろ」……覚えておきなさい!」
ベラベラ余計なことを喋って、実弥さんに鋭く睨み付けられた不細工は、よくある捨て台詞を残して、実弥さんの屋敷から早足で逃げ出した。
あのまま居座り続けた場合、我慢できなくなった実弥さんに斬り殺されてたかもしれないわね。まぁ、想い人に殺されるなら本望かもしれないけど。
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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時