検索窓
今日:17 hit、昨日:8 hit、合計:104,650 hit

その四十 ページ43

「そんな……」




 だらん、と脱力した様子で腕を下ろす不細工。実弥さんはそんな不細工の方を気にも留めないで、私の手を引いて厨を出て行こうとした。その時、一瞬だけ不細工とすれ違う時があったものだから、つい言っちゃったわ。

 「残念でした♡」って。不細工はそれを耳にした瞬間、目をキッと吊り上げて、拳を振り上げた。


 _あら、包丁の次は拳なのね。




 「このっっクソ女が!!!」

 「やっ……!」




 ったく、ほんとに馬鹿な女ね。
 これ以上信頼失ってどうするつもり……あっ、もう失うものが無いから何をしても良いのか!

 なるほど、ちょっとは考えるようになったじゃない。怖いものが無い状態の時は、誰でもいつも以上の力が出るのよ。でも________、




 「てめえが言う台詞じゃねえだろうが。」

 「実弥さん……!」

 「違う、私はやってないの!全部こいつよ、この女が術か何かを使って私を操ったのよ!」




 あらら、もう完璧に詰んだわね。




 「Aはなぁ、術の類は使えねぇんだよ。」

 「は、はぁ!?そんなの嘘だ、鬼舞辻無惨のお気に入りが術を持ってないだなんて、そんなの有り得ない!」

 「私、ほんとに術とか使えない……」

 「Aを傷付け、なおかつAに罪を押し付けるたぁ良い度胸じゃねぇか、てめぇみたいな人間はな、鬼殺隊にはいらねえんだよ」

 「ッ……良いわ!このこと、御館様や他の柱にも伝えてやるんだから!!皆私の味方についてくれるわ、だって此奴は鬼なんだから!皆お前のことなんて……(「とっとと失せろ」……覚えておきなさい!」




 ベラベラ余計なことを喋って、実弥さんに鋭く睨み付けられた不細工は、よくある捨て台詞を残して、実弥さんの屋敷から早足で逃げ出した。

 あのまま居座り続けた場合、我慢できなくなった実弥さんに斬り殺されてたかもしれないわね。まぁ、想い人に殺されるなら本望かもしれないけど。

その四十一→←その三十九



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (163 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
269人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。